日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS25_2PM2] 地震予知

2014年5月2日(金) 16:15 〜 17:00 312 (3F)

コンビーナ:*竹内 希(東京大学地震研究所)、座長:梅田 康弘(産業技術総合研究所)、ゲラー ロバート(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

16:45 〜 17:00

[SSS25-10] 地震直前の前兆電界の発生メカニズム

*高橋 耕三1 (1.無し)

キーワード:地震前兆電界, 雷発生のメカニズム, 中緯度の雷, 低緯度の雷, 噴煙中の雷

1. 地震前兆電界 地震前兆電界は下記のメカニズムで発生するものとする(付図参照)。(1) 地震前に震源域の地殻内の結晶境界面に亀裂が発生し(推定)、この亀裂に間隙水が浸透する。(2) 結晶境界面には、ウラン化合物・ラジウム化合物・ラドンなどの放射性物質が存在し、この間隙水に溶け出す。(3) 地震前兆の亀裂により、間隙水と地下水とが繋がり、放射性物質を含む地下水が地表に噴出する。(4) 地表に出た放射性物質により、下層大気が電離し、電気伝導度が局所的に増加する。(5) 地表と電離層間には数百万Voltの電位差があるため、宇宙線シャワーの軌跡に沿って、地表と電離層間に電流が発生する。(6) この電流から地震前兆電波が輻射され、間歇的脈流であるため、広帯域となる。 上記のメカニズムが成立するためには、地震前兆の微小亀裂の発生が必須となる。2. 地表・電離層間電流発生のメカニズム 積乱雲の雲頂は約30MVに達し、電離層にたいし高電圧となり、電離層から電子・負イオンが流れ込み、電離層と地表の電位差は数百万Voltとなる。雲頂は下記のメカニズムで高電圧になるものとする。(I) 中緯度では、積乱雲の -10℃以下の領域では、水滴は氷晶となっているが、表面は負に帯電した水膜で覆われている。氷晶間の衝突により、小さい氷晶の水膜は大きい氷晶に移り、小さい氷晶は、正に帯電し、上昇気流により雲頂に運ばれ、雲頂は高電圧となる(1)。(II) 低緯度では水滴は凍らないため、メカニズムは異なる。積乱雲内部の電界は、約1000/m になっている。このため、水滴の上部は負に、下部は正に偏極している。小さい水滴は大きい水滴よりも高速なため、小さい水滴は、大きい水滴の下部に衝突し、小さい水滴の上部の負の電荷が大きい水滴の下部の負の電荷と中和し、小さい水滴は正に帯電し、中緯度の場合同様に、雲頂を高電圧にする(2)。 火山の噴煙でも雷の発生が観測されている。この際は火山噴出物の摩擦電気による帯電であり、帯電した噴出物は上記の(II) と同じ理由により、噴煙の上部を正の高電圧にする。このことが観測されれば上記のメカニズムが妥当な可能性が大きくなる。参考文献(1) 高橋耕三 地震直前に観測される電磁界の発生メカニズム JpGU 2011 S-SS024-13(2) 高橋耕三 地震直前に観測される電磁界の発生メカニズム JpGU 2010 S-SS012-08