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[SSS29-P04] 高サンプリング地震波形を用いた小繰り返し地震の波形相関解析
キーワード:繰り返し地震, アスペリティ, 高サンプリング地震波形, 波形相関解析, 東北地方太平洋沖地震
繰り返し地震は,きわめてよく似た波形を持つ地震群であり,断層面の小アスペリティが繰り返し破壊することにより発生すると考えられている.しかし,繰り返し地震アスペリティの詳細な構造,破壊様式の再現性やゆらぎに関しては不明なことが多く,それらを明らかにすることは,プレート境界地震の発生メカニズムを理解する上で非常に重要である.
大地震の余効すべりなどの応力擾乱によって,同一アスペリティの破壊様式が変化する場合があることが,数値実験から明らかになっており,実際に大地震直後にその周りの小繰り返し地震のマグニチュードが系統的に変化したという観測結果もある.破壊様式が変化すると,地震波形の高周波成分が特に変化すると考えられる.そのため,小繰り返し地震の破壊様式の変化を捉えるためには,地震波形の高周波成分の違いを詳細に調べる必要がある.
本研究では,東北地方太平洋沖地震直後の2011年の4月から11月にかけて,東北地方太平洋側沿岸の定常ボアホール観測点で1 kHzサンプリングの地震観測を行い,三陸沖で発生する小繰り返し地震の波形相関を調べた.具体的には,同一グループに属する小繰り返し地震同士でペアを作り,それらの波形のコヒーレンスを計算した.その結果,どのペアも低周波側では非常に高い波形相関を持つが,高周波側では,波形相関の高いペアと低いペアが存在することがわかった.また,波形相関が低下する周波数帯域は,どのペアもほとんど同じであった.この結果は,同一アスペリティの破壊でも,破壊様式がゆらいでいることを示唆している.
また,他の地震との高周波側の波形相関が低い地震は,近傍の地震の直後に発生していることがわかった.これは,近傍の地震による応力擾乱によって,同一アスペリティの破壊様式がゆらぎ,地震波形の高周波成分が変化した可能性を示している.
大地震の余効すべりなどの応力擾乱によって,同一アスペリティの破壊様式が変化する場合があることが,数値実験から明らかになっており,実際に大地震直後にその周りの小繰り返し地震のマグニチュードが系統的に変化したという観測結果もある.破壊様式が変化すると,地震波形の高周波成分が特に変化すると考えられる.そのため,小繰り返し地震の破壊様式の変化を捉えるためには,地震波形の高周波成分の違いを詳細に調べる必要がある.
本研究では,東北地方太平洋沖地震直後の2011年の4月から11月にかけて,東北地方太平洋側沿岸の定常ボアホール観測点で1 kHzサンプリングの地震観測を行い,三陸沖で発生する小繰り返し地震の波形相関を調べた.具体的には,同一グループに属する小繰り返し地震同士でペアを作り,それらの波形のコヒーレンスを計算した.その結果,どのペアも低周波側では非常に高い波形相関を持つが,高周波側では,波形相関の高いペアと低いペアが存在することがわかった.また,波形相関が低下する周波数帯域は,どのペアもほとんど同じであった.この結果は,同一アスペリティの破壊でも,破壊様式がゆらいでいることを示唆している.
また,他の地震との高周波側の波形相関が低い地震は,近傍の地震の直後に発生していることがわかった.これは,近傍の地震による応力擾乱によって,同一アスペリティの破壊様式がゆらぎ,地震波形の高周波成分が変化した可能性を示している.