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[SSS33-03] 超伝導重力計による2011年東北地方太平洋沖地震後の重力変化
キーワード:超伝導重力計, 2011年東北地方太平洋沖地震, 余効変動, 粘弾性
2011年東北地方太平洋沖地震は,広い範囲で大規模な地殻変動を引き起こしたが,地表における重力にも大きな影響を与えていることが,松代(長野県)および神岡(岐阜県)の超伝導重力計の記録から明らかになってきた.いずれの観測点においても,地震以前には重力はほぼ一定だったが,地震発生後はほぼ同じレート(およそ10マイクロガル/年)で重力が減少し,現在もその傾向が続いている.これらの観測点は,震源域からはある程度離れており(震央距離はそれぞれ約420kmおよび約490km),GEONETのデータによれば余効変動は比較的小さい.したがってこの重力減少は観測点の隆起では説明できず,地下の物質の粘弾性的な流動による密度分布の変化を反映していると考えられる.発表の際は,本州にあるもう一つの観測点である水沢(岩手県)の記録もあわせて紹介する.