日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS34_29AM2] 活断層と古地震

2014年4月29日(火) 11:00 〜 12:45 502 (5F)

コンビーナ:*吾妻 崇(独立行政法人産業技術総合研究所)、杉戸 信彦(法政大学人間環境学部)、藤内 智士(高知大学理学部応用理学科)、吉岡 敏和(独立行政法人産業技術総合研究所活断層・地震研究センター)、座長:藤内 智士(高知大学理学部応用理学科)

11:30 〜 11:45

[SSS34-09] ディスロケーション解により基盤運動を制御する個別要素法を用いた堆積層の変形シミュレーション

*楠本 成寿1伊藤 康人2 (1.富山大学大学院理工学研究部、2.大阪府立大学大学院理学系研究科)

キーワード:個別要素法, ディスロケーション解, 堆積層の変形, PFC

個別要素法を用いた基盤岩の運動による堆積層の変形シミュレーションでは、基盤は、これまで剛体として動かされてきた。本研究では、堆積層の変形を断層パラメータや弾性定数に関連付けて議論できるよう、個別要素法における基盤の運動を弾性論に基づくdislocation解でコントロールすることを試みた。その結果、堆積層の変形は、基本的に基盤岩の変形形状に追従するため、剛体基盤モデルでは現れなかった堆積層の傾斜などが今回のシミュレーションに現れた。また、断層端周辺の堆積層の変形様式も剛体基盤モデルと異なること、さらに断層基盤モデルにおいても、その形状は、モデル化の際に仮定される断層パラメータの影響を受けることが示された。堆積層表層の形状にも断層パラメータ依存性が示唆された。これらのことから、我々のモデルを用いることにより、堆積層の変形形状だけでなく、trishearの形状やその発達過程についても、断層パラメータと関連付けて議論を行うことが可能になることが示された。今後、多くの地形、地質構造、震探データの解釈に用いることで、より実際的な解析手法のノウハウを蓄積し、テクトニクスや構造の形成過程についての定量的議論を進めて行きたいと考えている。