日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS34_29PO1] 活断層と古地震

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*吾妻 崇(独立行政法人産業技術総合研究所)、杉戸 信彦(法政大学人間環境学部)、藤内 智士(高知大学理学部応用理学科)、吉岡 敏和(独立行政法人産業技術総合研究所活断層・地震研究センター)

18:15 〜 19:30

[SSS34-P05] 立体地形解析図上の活断層と地形面

*今泉 俊文1宮内 崇裕2楮原 京子3岡田 真介4白澤 道生5横山 隆三5佐々木 達哉6 (1.東北大学大学院理学研究科、2.千葉大学大学院理学研究科、3.山口大学教育学部、4.東北大学災害科学国際究所、5.横山空間情報研究所、6.応用地質)

キーワード:活断層, 地形面, 立体地形解析図, 読図

数値標高モデル(DEM)データを用いた地形解析手法によって,様々な地形の主題がわかりやすく鮮明に表現されるようになってきた.我々は,国土地理院の数値標高モデル(DEM)データのうち,5mDEMデータを用いて,2万5千分の1地形図をそのまま立体視することを試みて,この立体地形解析図上に活断層情報を転記した.
 地形図は,国土地理院の地形図仕様(地形図の凡例)に基づいて作成し,これをアナグリフによって立体視化した.すなわち,市町村名などの地名に加え,山地・河川などの自然地名も地形図と同様に表示し,各種の施設・設備,市街地・住宅,道路・鉄道・水路などの地貌情報も市販の地形図どおりの表現とした.さらに,起伏を読み取る等高線も10m間隔(主曲線)で示しており,三角点や独標点をあわせて,それぞれの場所の標高値も同時に知ることができる.地形図を立体化することによって地形図の判読の不慣れさを補う効果が得られる.
 この立体地形解析図上に,活断層の線分情報(中田・今泉編,2002)を重ねた.活断層の位置が,2万5千分の1 立体地形解析図上で読み取れるので,活断層と崖や傾斜地との関係,各種のインフラとの関係などが場所によっては詳しくわかる.逆に,活断層研究者が主に空中写真を用いて地表の起伏をどの様に判読して活断層と認定したのか,その根拠の一つが地形図上で明らかにされる.例えば,活断層の重要な諸元情報として断層形態,変位様式,変位量・変位速度があるが,これらは主に地形面を断層変位基準として求められている.縮尺2万5千分の1の地形図に10m間隔で表現される地形の起伏から,各種の地形面(扇状地や段丘面などの変位基準面)を読み取り,これらの変位基準に記されている崖や斜面の落差から断層による変位量を知ることが出来る(変位速度を知るには,変位基準の形成年代が必要).
 ポスターでは,逆断層が典型的な東北地方の活断層を対象に,立体地形解析図上に断層情報(線分情報)を立体化して表示する.