日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT07_29AM1] Frontier Researches in Exploration Geophysics

2014年4月29日(火) 09:00 〜 10:40 421 (4F)

コンビーナ:*三ケ田 均(京都大学大学院工学研究科)、中山 圭子(早稲田大学理工学研究所)、佐藤 龍也(地熱技術開発株式会社)、座長:佐藤 龍也(地熱技術開発株式会社)、三ケ田 均(京都大学大学院工学研究科)

10:25 〜 10:40

[STT07-06] MPS法によるMT法フォワード計算

*谷 昌憲1三ケ田 均1後藤 忠徳1武川 順一1 (1.京都大学大学院工学研究科)

キーワード:MT法, MPS法

地表面の地形によって観測されるMTレスポンスが変化する問題について、地形の影響を考慮できるForward計算手法の開発した。地形の変化は観測されるMTレスポンスに影響を与え、見かけ比抵抗や位相が変化することが知られている(例えば、[Wannamaker, P., et. al., (1986)])。つまり、地形の影響を考慮せずに地形を水平面であると仮定し解析した場合、本来は存在しない偽像を作ることや本来の異常体の構造を歪めてしまう可能性が有る。特に、頻繁にMT法観測が用いられる環境として地熱地帯や断層帯などがある。そのような環境は局所的な比抵抗異常体が存在すると同時に急峻な地形を有する地域であることが多い。そのような環境でのMT法による地下の可視化をより精度よく行うためには地形が観測されるMTレスポンスに対して与える影響を考慮する必要がある。しかしながら、現在3次元法インバージョンでは地形の影響を考慮し解析を行った例は少ない。これは3次元MT法インバージョンにおいてMTレスポンスを計算するために有限差分法が主に用いられていることが理由であると考えられる。有限差分法では計算格子上において電場、磁場をそれぞれ格子の辺上で定義するため地形のような、なだらかに変化する形状を扱うことは容易ではない。一方で、2次元及び3次元MT法において、地形の影響を計算した研究も存在する[Nam, M. J.,et.al., (2008)]。これらの研究では地形を容易に扱うことのできる有限要素法を用いてMTレスポンスを計算している。しかしながら3次元MT法インバージョンに有限要素法を適用することは計算コストの点で難しい。このような現状を踏まえ、本研究では地形の再現性および計算コストの両立を目指しMPS(moving particle semiinplicit)法を用いてMT法レスポンスのForward計算手法の開発を行った。本研究では地形を考慮できる2次元MT法、TEモード及びTMでのMTレスポンスの計算手法を開発した。