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[STT57-04] GLISN 日本隊によるグリーンランド氷床上での地震観測(2011-2013),および2014年の観測計画
キーワード:グリーンランド, 氷河地震, GLISN 観測網
グリーンランド氷床は地球規模の気候変動に伴って融解が進行している.近年,氷床融解の過程で末端部の氷河が移動する際に,「氷河地震」と呼ばれる地震動が発生することが知られるようになり,地震観測による氷床モニタリングに関心が集まっている.2009 年に発足した「グリーンランド氷床の地震モニタリング観測網(Greenland Ice Sheet Monitoring Network,GLISN)」は,氷床モニタリングを目的として,11 ヶ国の国際共同で広帯域地震観測網を展開するプロジェクトである.観測網は氷床上や露岩域に新設された観測点と,既存の定常観測点を合わせて成り立っており,現在33点が運営されている.日本はGLISN発足時からの参加国として,毎年観測隊を派遣している.2011年には,米国と共同で氷床上に観測点「ICESG」(北緯69°5'32.05",西経39°38'50.89",標高2900 m)を新設した.2012年には,ICESGに加えて,氷床上の観測点1点(DY2G)と露岩の観測点1点(NUUK)のメンテナンスを行った.2013年には,氷床上に11泊してICESGとDY2Gのメンテナンスを行ったほか,氷床上最北端の観測点NEEMの観測支援にも従事した.本発表では,日本隊の3年間の活動と,これらの観測点から得られた地震波形データの初期的な解析結果を報告したのち,2014年の観測計画を紹介する.GLISN日本隊の活動は,科研費(課題番号24403006)により運営されている.