日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT59_29PO1] 合成開口レーダー

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*山之口 勤(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)、小林 知勝(国土交通省国土地理院)、宮城 洋介(防災科学技術研究所)

18:15 〜 19:30

[STT59-P02] ALOS PALSARを用いた時系列解析のダム外部変形計測への適用

*本田 謙一1虫明 成生1佐藤 渉1佐藤 弘行2小堀 俊秀2佐々木 隆3山口 嘉一4清水 則一5 (1.国際航業株式会社、2.土木研究所、3.国土技術政策総合研究所、4.ダム技術センター、5.山口大学)

キーワード:ダム, 外部変形計測, DInSAR, SBAS, GPS

近年、ダム等大規模構造物の老朽化と安全管理が大きな課題となっている。日本国内にあるダムのうち2020年には58%が建造から50年を超えるなどダムの老朽化も進んでおり、安全管理のための効率的な変位計測技術が求められている。また、地震などの災害時に構造物の被災状況を早期に把握するため、安全で迅速な変位計測技術が必要とされている。Differential Interferometric SAR (DInSAR) は広域の複数の構造物を一度に観測できることから、大規模構造物の安全管理に非常に有益である。
 そこで本研究では、沖縄県の大保脇ダムを対象としてDInSARのダムの外部変形計測への適用性を検討した。大保脇ダムは2006年12月の完成と同時にGPSで外部変形計測を行っており、2010年12月までに114㎜の変形が観測されている。そこで、同時期に観測しているALOS PALSARのAscending14シーンとDescending14シーンを用い、各軌道でDInSARの時系列解析を行った。
 GPSにより計測された変位と比較した結果、最も変形の大きな点において、DInSARの変位はGPSの変位の70%から80%の値が得られた。RMSEは約1㎝であり、解像度10mのALOS PALSARデータでも、数センチ程度の変位ならばDInSARで計測できることが確認できた。また、時系列での変位の傾向もよく捉えており、DInSARによるダムなどの大規模構造物の外部変形計測への利用可能性が示唆される。