日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT59_29AM2] 合成開口レーダー

2014年4月29日(火) 11:00 〜 12:40 414 (4F)

コンビーナ:*山之口 勤(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)、小林 知勝(国土交通省国土地理院)、宮城 洋介(防災科学技術研究所)、座長:宮城 洋介(防災科学技術研究所)、森下 遊(国土交通省国土地理院)

12:20 〜 12:35

[STT59-P09_PG] 差分干渉合成レーダーによる南極宗谷海岸南部の氷流速度測定

ポスター講演3分口頭発表枠

*白水 薫1土井 浩一郎2青山 雄一2 (1.総合研究大学院大学、2.国立極地研究所)

キーワード:差分干渉SAR, 南極氷床, 氷流

差分干渉合成開口レーダーは南極大陸上の氷流の流速を測定するための有効な方法の一つである.本研究では,日本の衛星ALOS/PALSARで観測されたLバンド(波長23.6cm)SARデータに差分干渉合成開口レーダー手法(Differential Interferometric SAR:DInSAR)を適用し,東南極宗谷海岸南部スカーレン周辺の氷流速度の測定を試みた.使用データは,2007年11月23日から2010年1月13日の間に観測された9シーン(Path633,Row571-572)であり,地形縞除去のためにはディジタル地形モデルASTER GDEMを用いた.

 解析の結果,視線方向の流動速度は,最大で3.5cm/dayの速さであった.通常,露岩域においては変動が無いと考えられるが,得られた変動画像では,露岩において最大37cmの変動が検出されており,見かけの変動と考えられ,解析における誤差を含むと考えられる.このことから,露岩上に表われる見かけの変動を氷流流速測定の誤差の見積もりに用いることが出来ると考えられる.

 本講演では,氷流の流速測定結果を示すとともに,流速測定に含まれる誤差評価について議論を行う.