12:30 〜 12:45
[SVC50-P02_PG] 火山灰拡散シミュレーションのための風データの検討
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:火山灰拡散シミュレーション, 気象予測モデル
火山灰の拡散・堆積プロセスを理解することは,地表に降下した火山灰から噴火条件を再構築する上で必要な火山学的に重要な課題である.また,火山灰の拡散は科学的な問題であるだけでなく社会的・経済的にも重要な関心事である.こうした背景から,火山灰の拡散・降下過程について移流拡散モデルが開発されている(例:TEPHA2,PUFF,FALL3D).これら移流拡散モデルのシミュレーション結果は入力される風データに影響される.例えば,PUFFを用いた霧島2011年噴火のケーススタディでは,低い時空間解像度の風データ(NCEP/NCAR再解析データ)を使った場合よりも,高い時空間解像度の風データ(気象庁メソ客観解析データとERA Interimデータ)を使ったシミュレーションの方が,東へ約900km流れた噴煙のより細かい構造を再現できた(Kiyosugi and Koyaguchi 2012).
入手可能な風データには,気象庁のメソ客観解析データ,ヨーロッパ中期予報センターのERA Interimデータ,アメリカ海洋大気庁のNCEP/NCAR 再解析データなどがある.これらのデータでは,データ同化の方法や計算モデル,時空間解像度などに違いがある.気象庁のメソ客観解析データは,同化窓6時間の静力学メソ4次元変分法でデータ同化を行って初期値を作成し,非静力学モデルで5 kmグリッド,鉛直15層,3時間ごとの気象場を計算したものである.一方,ヨーロッパ中期予報センターのERA Interimデータは,同化窓12時間の4次元変分法のデータ同化によって初期値を求め,0.75°×0.75°グリッド,鉛直37層,6時間ごとの気象場を計算したものである.また,アメリカ海洋大気庁のNCEP/NCAR 再解析データは,3次元変分法によるデータ同化を行い,2.5°× 2.5°グリッド,鉛直17層,6時間ごとの風データを計算したものである.
これらの入手可能な風データのうち,どのデータが火山灰の拡散モデルに適しているかの判断は一般に難しい.さらに,これらの風データに加え,気象予測モデル(例:the Weather Research and Forecasting model,WRF)を用いてより細かな解像度の風データを数値的に作成することも可能である.WRFモデルは,複数の研究機関が共同で開発したオイラー形式圧縮性非静力学モデルである.WRFモデルは,数mから数kmのスケールの広い範囲に応用可能である.
このような背景から,本研究では火山灰の移流拡散モデルのシミュレーションに最適な風データの作成を進めている.降灰や火山灰の拡散を再現するためには,空間解像度が火山の近傍で数100m程度,遠方で数km程度,鉛直方向には数十層程度あり,さらに大気場と噴煙との相互作用を再現できることが望ましい.こうした条件を満たすため,入手可能な風データを初期入力値として,WRFを用いた数値計算を行い,興味のある地点(火山および風下側)を中心にしたデータ同化や気象データ以外の観測データを用いたデータ同化を行うことにより,高解像度の風データの作成を行っていく.
入手可能な風データには,気象庁のメソ客観解析データ,ヨーロッパ中期予報センターのERA Interimデータ,アメリカ海洋大気庁のNCEP/NCAR 再解析データなどがある.これらのデータでは,データ同化の方法や計算モデル,時空間解像度などに違いがある.気象庁のメソ客観解析データは,同化窓6時間の静力学メソ4次元変分法でデータ同化を行って初期値を作成し,非静力学モデルで5 kmグリッド,鉛直15層,3時間ごとの気象場を計算したものである.一方,ヨーロッパ中期予報センターのERA Interimデータは,同化窓12時間の4次元変分法のデータ同化によって初期値を求め,0.75°×0.75°グリッド,鉛直37層,6時間ごとの気象場を計算したものである.また,アメリカ海洋大気庁のNCEP/NCAR 再解析データは,3次元変分法によるデータ同化を行い,2.5°× 2.5°グリッド,鉛直17層,6時間ごとの風データを計算したものである.
これらの入手可能な風データのうち,どのデータが火山灰の拡散モデルに適しているかの判断は一般に難しい.さらに,これらの風データに加え,気象予測モデル(例:the Weather Research and Forecasting model,WRF)を用いてより細かな解像度の風データを数値的に作成することも可能である.WRFモデルは,複数の研究機関が共同で開発したオイラー形式圧縮性非静力学モデルである.WRFモデルは,数mから数kmのスケールの広い範囲に応用可能である.
このような背景から,本研究では火山灰の移流拡散モデルのシミュレーションに最適な風データの作成を進めている.降灰や火山灰の拡散を再現するためには,空間解像度が火山の近傍で数100m程度,遠方で数km程度,鉛直方向には数十層程度あり,さらに大気場と噴煙との相互作用を再現できることが望ましい.こうした条件を満たすため,入手可能な風データを初期入力値として,WRFを用いた数値計算を行い,興味のある地点(火山および風下側)を中心にしたデータ同化や気象データ以外の観測データを用いたデータ同化を行うことにより,高解像度の風データの作成を行っていく.