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[SVC52-01] Tephra2による大山倉吉テフラの再現計算
キーワード:大山倉吉テフラ, Tephra2
大山倉吉テフラ(DKP)は,約5万年前に大山火山から噴出した大規模なプリニー式降下堆積物で,山陰から北陸,北関東や東北南部を広く覆っている.その規模は,国内の降下堆積物では最大級であり,テフラの体積は20km3を超えるとされているが,定量的な検討はほとんど行われていない.そこで,本発表ではTephra2を使ったDKPの再現計算結果を報告する.Tephra2は,南カリフォルニア大学で開発された移流拡散モデルを元にした噴煙からの火山灰堆積量分布の計算コードで,一般公開されている.今回はこのコードを使って,堆積物分布の情報から噴煙柱パラメータをインバージョン的に求めることを試みた.再現計算は,米子の年平均高度別の風データを用いて,噴煙柱高度について5ケース(10?18km),噴出量について4ケース(1?8×10E+18kg),平均粒径について4ケース(0?3φ),粒径偏差について5ケース(1?5φ)の合計400ケースについて実施して実施した.これまでに示されているDKPの層厚分布を説明するためには,噴煙柱が18kmと高く,噴出量が4?8×10E+18kg(見かけ体積40?80km3)となる.実際の噴煙柱高度は更に高かった可能性はあるものの,高度18kmを超えると風速が極端に小さくなるため,解析結果は噴煙柱高度18kmケースとほとんど違いがなく,この種の再現計算では区別することが出来ない.本報告は、特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業として、原子力機構が実施した平成25年度「外部ハザードに対する崩壊熱除去機能のマージン評価手法の研究開発」の成果である。