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[SVC53-P03] 阿蘇火山中央火口丘群,完新世火山噴出物の岩石記載,化学組成と古地磁気層序との対比
キーワード:阿蘇中央火口丘群, 火山噴出物, 完新世, 古地磁気方位, 岩石記載, 化学組成
阿蘇中央火口丘群北西域に分布する6種類の溶岩(中岳溶岩, 赤水溶岩, 杵島岳溶岩, 往生岳溶岩, 米塚溶岩, 上米塚スコリア)について,Miyabuchi et al. (2012) や弥頭ら(2013)が古地磁気方位を報告した25サイトから火山岩試料を採集した.採集試料について岩石記載と全岩化学組成を行い, 古地磁気方位や14C年代に基づくMiyabuchi (2009) の層序と対応させた.
杵島岳噴出物は古地磁気方位が異なり,活動時期が約1000年違うアグルチネートと溶岩流に分けられるが,それぞれの岩石記載から,鉱物組み合わせは同一であるが, 石基の組織,斑晶モード組成,全岩化学組成が異なることがわかった.アグルチネートは14C年代値から約4000年前頃と推定されている杵島岳スコリアと化学組成が一致した.
往生岳溶岩は土壌を挟む2枚の溶岩が露頭で確認され,古地磁気方位も異なるので,時間間隙を持つ2枚の溶岩流(下位,上位)に分けることができた.しかし,岩石記載や全岩化学組成からは違いはみられなかった.
アカホヤ火山灰より若い年代を持つ6種類の溶岩は全て同じ斑晶鉱物組合せを持ち,肉眼観察でも違いはほとんど認められないが,噴出年代の違いに対応した化学組成の違いを見いだすことができた.また同時噴火の可能性がある溶岩(杵島岳溶岩,往生岳溶岩下位,上米塚スコリア)についても化学組成の違いはSiO2で約1%程度で,大きな違いはなかった.完新世の一連の溶岩は共通のマグマ供給系よりマグマが異なる火道を通って噴出した可能性が考えられる.
杵島岳噴出物は古地磁気方位が異なり,活動時期が約1000年違うアグルチネートと溶岩流に分けられるが,それぞれの岩石記載から,鉱物組み合わせは同一であるが, 石基の組織,斑晶モード組成,全岩化学組成が異なることがわかった.アグルチネートは14C年代値から約4000年前頃と推定されている杵島岳スコリアと化学組成が一致した.
往生岳溶岩は土壌を挟む2枚の溶岩が露頭で確認され,古地磁気方位も異なるので,時間間隙を持つ2枚の溶岩流(下位,上位)に分けることができた.しかし,岩石記載や全岩化学組成からは違いはみられなかった.
アカホヤ火山灰より若い年代を持つ6種類の溶岩は全て同じ斑晶鉱物組合せを持ち,肉眼観察でも違いはほとんど認められないが,噴出年代の違いに対応した化学組成の違いを見いだすことができた.また同時噴火の可能性がある溶岩(杵島岳溶岩,往生岳溶岩下位,上米塚スコリア)についても化学組成の違いはSiO2で約1%程度で,大きな違いはなかった.完新世の一連の溶岩は共通のマグマ供給系よりマグマが異なる火道を通って噴出した可能性が考えられる.