18:15 〜 19:30
[SVC55-P08] 蔵王火山、約30-10万年前の山体北部の岩石学的研究
キーワード:蔵王火山, 成層火山, 噴火史, マグマ進化
蔵王火山は東北日本火山フロント中部に位置する第四紀成層火山である。活動は約80万年前から現在まで継続しているが、約30-10万年前の活動により複数の中規模山体が形成された。これらが現在の山体の主要部を成している。しかし、それらの形成過程・マグマ組成変化の詳細は未解明の部分が多い。中規模山体は大きく北部と南部に分けられるが、本研究では、北部を形成する火山体の形成史およびマグマ組成変化について報告を行う。
噴出物は、概ね下位から、横倉山溶岩・観松平溶岩・地蔵山西方溶岩・熊野岳西方噴出物・熊野岳主山体噴出物・地蔵山東方アグルチネート及び溶岩・熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩・馬の背溶岩の8つに分けられる。横倉山、観松平溶岩、地蔵山西方溶岩は共に安山岩質溶岩からなる。熊野岳西方噴出物は、下部が安山岩質の火山礫凝灰岩・凝灰角礫岩・凝灰集塊岩、上部が安山岩質溶岩からなる。熊野岳主山体噴出物は、下部が安山岩質の溶岩と火砕岩の互層、上部が安山岩質の凝灰角礫岩・凝灰集塊岩からなる。地蔵山東方アグルチネートおよび溶岩と熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩は玄武岩質安山岩で、共に噴出中心近傍では約 2 m の大きさの火山弾を含む凝灰集塊岩およびアグルチネートからなり、遠方では溶岩が見られる。馬の背噴出物は玄武岩質安山岩の溶岩主体で、部分的に凝灰集塊岩が見られる。横倉山溶岩は現在の主稜線よりも西方に噴出中心が存在したと考えられ、それ以降の噴出中心は現在の熊野岳~地蔵山付近と考えられる。また、地蔵山東方アグルチネートおよび溶岩・熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩・馬の背溶岩では噴出中心に近くにアグルチネートが見られるのが特徴的である。
北部火山体を構成する噴出物は全て中間カリウムのカルクアルカリ系列に属す。但し、横倉山溶岩は他のものに比べてK2Oが低いトレンドを示す。その他7ユニットの噴出物はSiO2組成変化図で概ね同じトレンドに乗るが、下位の4ユニットは安山岩質であるのに対して上位3ユニットは玄武岩質安山岩が主体である。詳細に見ると一部の組成でユニット間に違いが見られる。安山岩質の4ユニットのうち、熊野岳主山体噴出物は熊野岳西方噴出物・観松平溶岩・地蔵山西方溶岩に比べてCr, Ni, Zr, Nb 量は高く、Rb 量は低い。また、馬の背噴出物は、MgO, Cr, Ni に関し、他の噴出物が作るトレンドよりも高含有量側にプロットされる。
噴出物は、概ね下位から、横倉山溶岩・観松平溶岩・地蔵山西方溶岩・熊野岳西方噴出物・熊野岳主山体噴出物・地蔵山東方アグルチネート及び溶岩・熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩・馬の背溶岩の8つに分けられる。横倉山、観松平溶岩、地蔵山西方溶岩は共に安山岩質溶岩からなる。熊野岳西方噴出物は、下部が安山岩質の火山礫凝灰岩・凝灰角礫岩・凝灰集塊岩、上部が安山岩質溶岩からなる。熊野岳主山体噴出物は、下部が安山岩質の溶岩と火砕岩の互層、上部が安山岩質の凝灰角礫岩・凝灰集塊岩からなる。地蔵山東方アグルチネートおよび溶岩と熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩は玄武岩質安山岩で、共に噴出中心近傍では約 2 m の大きさの火山弾を含む凝灰集塊岩およびアグルチネートからなり、遠方では溶岩が見られる。馬の背噴出物は玄武岩質安山岩の溶岩主体で、部分的に凝灰集塊岩が見られる。横倉山溶岩は現在の主稜線よりも西方に噴出中心が存在したと考えられ、それ以降の噴出中心は現在の熊野岳~地蔵山付近と考えられる。また、地蔵山東方アグルチネートおよび溶岩・熊野岳山頂アグルチネートおよび溶岩・馬の背溶岩では噴出中心に近くにアグルチネートが見られるのが特徴的である。
北部火山体を構成する噴出物は全て中間カリウムのカルクアルカリ系列に属す。但し、横倉山溶岩は他のものに比べてK2Oが低いトレンドを示す。その他7ユニットの噴出物はSiO2組成変化図で概ね同じトレンドに乗るが、下位の4ユニットは安山岩質であるのに対して上位3ユニットは玄武岩質安山岩が主体である。詳細に見ると一部の組成でユニット間に違いが見られる。安山岩質の4ユニットのうち、熊野岳主山体噴出物は熊野岳西方噴出物・観松平溶岩・地蔵山西方溶岩に比べてCr, Ni, Zr, Nb 量は高く、Rb 量は低い。また、馬の背噴出物は、MgO, Cr, Ni に関し、他の噴出物が作るトレンドよりも高含有量側にプロットされる。