16:15 〜 16:30
[SVC55-P14_PG] 小笠原諸島,西之島火山における2013年の噴火
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:西之島火山, 火山島, 伊豆-小笠原弧, マグマ水蒸気爆発, ストロンボリ式噴火, 海域火山
西之島火山は小笠原諸島に属する玄武岩~安山岩からなる海域火山であり,伊豆-小笠原弧の火山フロント上に位置する.1973年には西之島南東沖の海底で噴火が始まり,火口の移動や山体の消失を繰り返しながら新島が形成され,拡大成長を続けた.活動は1974年5月に停止したが,6月には漂砂によって西之島旧島と新島は接合した.その後,1990年頃まで浸食や漂砂堆積による著しい地形変化をうけた.
2013年11月20日,海上自衛隊の航空機により,西之島の南東海上で噴煙があがっているのが観測された.直ちに行われた海上保安庁の観測では,噴火地点には既に新島が形成されており,激しいマグマ水蒸気爆発が繰り返されていることが明らかになった.翌日21日もマグマ水蒸気爆発の発生と山体の成長が認められたが,22日からは噴火様式はマグマ噴火(ストロンボリ式噴火)に移行し,また東側山腹からの溶岩流出が始まった.その後,溶岩流出口は東側山腹から西側山腹へ移行し,溶岩流がそれぞれ東西に向けて広がったほか,マグマ水蒸気爆発によって形成された山体中央の大きな火口内には火砕丘が発達した.この火砕丘の火口からは常時青白い火山ガスが放出され,時折爆発的に溶岩片が周囲に飛び散っているのが観察される.また,12月24日には中央の火口の北側に新たに火口が出現し,盛んに噴煙をあげ始めた.これらの火口は,1973年に活動した火口とほぼ同じ位置に存在する.2月3日には,島の面積は約0.4平方キロメートルになった.
新島はほぼ溶岩流のみから形成されており,周囲の噴火前の水深はほぼ一定であったと考えられるので,島の成長速度はマグマ供給レートをほぼ反映していると考えられる.航空機から撮影された空中写真を元にした新島の面積増加速度は溶岩の流出開始以来ほぼ一定であり,マグマ供給レートも同様にほぼ一定に保たれていると思われる.
今回の噴火活動がいつから始まったのかは分からないが,地球観測研究センターが公開している人工衛星データを用いた海面水温や海面放射輝度の画像からは,11月7日には西之島の南方海上に,温度が高く周囲の海水と色の異なる領域が見られ始めている.遅くとも11月7日には,変色水の湧出などの火山活動が始まっていたといえる.
今後どのくらい活動が続くのかは分からないが,2月上旬においてはまだ活発な活動を続けており,沈静化の兆しは見られない.
2013年11月20日,海上自衛隊の航空機により,西之島の南東海上で噴煙があがっているのが観測された.直ちに行われた海上保安庁の観測では,噴火地点には既に新島が形成されており,激しいマグマ水蒸気爆発が繰り返されていることが明らかになった.翌日21日もマグマ水蒸気爆発の発生と山体の成長が認められたが,22日からは噴火様式はマグマ噴火(ストロンボリ式噴火)に移行し,また東側山腹からの溶岩流出が始まった.その後,溶岩流出口は東側山腹から西側山腹へ移行し,溶岩流がそれぞれ東西に向けて広がったほか,マグマ水蒸気爆発によって形成された山体中央の大きな火口内には火砕丘が発達した.この火砕丘の火口からは常時青白い火山ガスが放出され,時折爆発的に溶岩片が周囲に飛び散っているのが観察される.また,12月24日には中央の火口の北側に新たに火口が出現し,盛んに噴煙をあげ始めた.これらの火口は,1973年に活動した火口とほぼ同じ位置に存在する.2月3日には,島の面積は約0.4平方キロメートルになった.
新島はほぼ溶岩流のみから形成されており,周囲の噴火前の水深はほぼ一定であったと考えられるので,島の成長速度はマグマ供給レートをほぼ反映していると考えられる.航空機から撮影された空中写真を元にした新島の面積増加速度は溶岩の流出開始以来ほぼ一定であり,マグマ供給レートも同様にほぼ一定に保たれていると思われる.
今回の噴火活動がいつから始まったのかは分からないが,地球観測研究センターが公開している人工衛星データを用いた海面水温や海面放射輝度の画像からは,11月7日には西之島の南方海上に,温度が高く周囲の海水と色の異なる領域が見られ始めている.遅くとも11月7日には,変色水の湧出などの火山活動が始まっていたといえる.
今後どのくらい活動が続くのかは分からないが,2月上旬においてはまだ活発な活動を続けており,沈静化の兆しは見られない.