18:15 〜 19:30
[SVC55-P25] 桜島火山における反復地震探査(2013年)
キーワード:桜島火山, 反射法地震探査, 地下構造の時間変化, 制御地震
本発表では桜島火山で実施された第6回目の反復地震探査による地震波反射構造変化の追跡とともに、観測点間引きによる効果についても考察する。桜島火山は九州南部鹿児島県に位置する日本国内でもっとも活動度の高い火山である。桜島火山では火山活動にともなう地下構造変化の検出と評価を目的として、2008年以降毎年反復地震探査が実施されている。2013年は中道他(本大会発表)の観測の一環として反復反射法探査測線の第6回目が実施された。
火山活動に伴う地下構造変化の検出は、火山活動の本質であるマグマなどの流体物質の地下における振舞いへの直接のアプローチであり、地下構造変化の評価は火山活動の展開を理解する上で重要な情報をもたらす可能性がある。さらに地下における物質移動量や滞留量の評価にまで展開することによって、防災上重要な火山活動のタイムラインを予測する鍵になることが考えられる。また地下構造変化の検出手法は継続的に実施可能でなければならない。
本講演では最新の構造変化について報告する予定である。これまでも本合同学会で反復地震探査とその成果について報告してきた。反復地震探査は桜島北岳の北山腹と東山麓とにそれぞれ1本づつの測線が設定され、4.5Hzのセンサーによる約250点の臨時観測点を展開して観測が実施されてきた。先行する5回の実験の成果として、桜島北岳中腹測線では年とともに地震波反射パターンの変化が認められることが明らかになり、桜島地下の地震波反射応答が年とともに変化していると解釈されてきた。地震波反射応答変化は北岳北山腹測線で明瞭に検出され、桜島北東部地下の4.9キロ深と北岳北山腹地下の8キロ深で継続的に変化が起きていることがわかった。
また2013年実験で実施された観測点間引きの効果についても考察を行う。2012年までの実験では桜島北岳北斜面と東麓とにそれぞれ1測線ずつ約250点からなる観測網を展開していたが、2013年の人工地震実験ではこれまでより74観測点で桜島北岳北斜面測線のみを実施した。観測点間引きによる効果の検討は今後の持続的な実験の実施のために必要なことである。
なお、本観測は参加機関の供出した機材の他、京都大学防災研究所からも機材の貸与を受けて観測を実施した。
火山活動に伴う地下構造変化の検出は、火山活動の本質であるマグマなどの流体物質の地下における振舞いへの直接のアプローチであり、地下構造変化の評価は火山活動の展開を理解する上で重要な情報をもたらす可能性がある。さらに地下における物質移動量や滞留量の評価にまで展開することによって、防災上重要な火山活動のタイムラインを予測する鍵になることが考えられる。また地下構造変化の検出手法は継続的に実施可能でなければならない。
本講演では最新の構造変化について報告する予定である。これまでも本合同学会で反復地震探査とその成果について報告してきた。反復地震探査は桜島北岳の北山腹と東山麓とにそれぞれ1本づつの測線が設定され、4.5Hzのセンサーによる約250点の臨時観測点を展開して観測が実施されてきた。先行する5回の実験の成果として、桜島北岳中腹測線では年とともに地震波反射パターンの変化が認められることが明らかになり、桜島地下の地震波反射応答が年とともに変化していると解釈されてきた。地震波反射応答変化は北岳北山腹測線で明瞭に検出され、桜島北東部地下の4.9キロ深と北岳北山腹地下の8キロ深で継続的に変化が起きていることがわかった。
また2013年実験で実施された観測点間引きの効果についても考察を行う。2012年までの実験では桜島北岳北斜面と東麓とにそれぞれ1測線ずつ約250点からなる観測網を展開していたが、2013年の人工地震実験ではこれまでより74観測点で桜島北岳北斜面測線のみを実施した。観測点間引きによる効果の検討は今後の持続的な実験の実施のために必要なことである。
なお、本観測は参加機関の供出した機材の他、京都大学防災研究所からも機材の貸与を受けて観測を実施した。