16:15 〜 16:30
[SVC55-P28_PG] 桜島火山および姶良カルデラ周辺域の地盤上下変動:2013年10月・11月実施の水準測量結果
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:桜島火山, 姶良カルデラ, 精密水準測量, 地盤上下変動
桜島火山では,2006年6月から始まった昭和火口における噴火活動が近年激化し,2010年以降は,年間に800回を超える爆発的噴火が発生する状況が続いている.平成21年度より開始された「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」における課題「桜島火山における多項目観測に基づく火山噴火準備過程解明のための研究」の一環として,桜島火山周辺において水準測量を行ってきたが,これらに引き続き2013年10月および11月に桜島火山および姶良カルデラ周辺域において一等水準測量の繰返し観測を実施した.本講演では,この測量結果について報告し,最新の桜島火山の活動に伴う地盤上下変動について議論する.
2013年10月・11月に水準測量を実施した路線は,桜島内では海岸線に沿って桜島を一周する桜島一周道路路線,西部山腹のハルタ山登山路線及び北部山腹の北岳路線,また桜島外ではBM.2469(旧鹿児島県庁)からBM.2474およびBM.J(大崎鼻)間の鹿児島湾西岸路線,BM.2500(桜島口)からJ.2797(亀割峠)間の鹿児島湾東岸路線およびJ.2797からBM.2785(曽於市)間の曽於路線であり,総延長は約117 kmである.これらの路線を,大学合同測量班(期間:2013年11月5日~22日)と国土地理院(期間:2013年10月25日~11月7日及び11月13日~26日)とで分担して測量を行った.鹿児島湾東岸および曽於路線における水準測量は,2007年10月-12月の測量から約6年ぶりの実施であった.
桜島内の路線および鹿児島湾東岸・曽於路線については桜島西岸の水準点S.17を,またこれらとは独立している鹿児島湾西岸路線についてはその南端にあるBM.2469をそれぞれ不動点(基準)とし,各水準点の比高値を前回の2012年11月・12月および2007年10月-12月に行われた測量結果と比較することで,2012年11月・12月から2013年10月・11月の期間および2007年10月-12月から2013年10月・11月の期間における地盤上下変動量を計算した.その結果,これらの期間において,姶良カルデラを中心とした地盤の隆起が確認される一方,桜島中心部付近では地盤の沈降が確認された.茂木モデルに基づき,上下変動量データから圧力源の位置を求めると,どちらの期間についても姶良カルデラ中央部地下に増圧源が,また桜島中央部直下に減圧源が推定された.
これらの結果は,姶良カルデラ地下のマグマ溜りにおいてマグマの貯留が継続して進行していることを示している.一方で,桜島直下のマグマ溜りにおいてはマグマの放出量が増大する傾向となってきていることを示唆しており,近年の昭和火口における噴火活動の活発化を反映したものであると考えられる.
2013年10月・11月に水準測量を実施した路線は,桜島内では海岸線に沿って桜島を一周する桜島一周道路路線,西部山腹のハルタ山登山路線及び北部山腹の北岳路線,また桜島外ではBM.2469(旧鹿児島県庁)からBM.2474およびBM.J(大崎鼻)間の鹿児島湾西岸路線,BM.2500(桜島口)からJ.2797(亀割峠)間の鹿児島湾東岸路線およびJ.2797からBM.2785(曽於市)間の曽於路線であり,総延長は約117 kmである.これらの路線を,大学合同測量班(期間:2013年11月5日~22日)と国土地理院(期間:2013年10月25日~11月7日及び11月13日~26日)とで分担して測量を行った.鹿児島湾東岸および曽於路線における水準測量は,2007年10月-12月の測量から約6年ぶりの実施であった.
桜島内の路線および鹿児島湾東岸・曽於路線については桜島西岸の水準点S.17を,またこれらとは独立している鹿児島湾西岸路線についてはその南端にあるBM.2469をそれぞれ不動点(基準)とし,各水準点の比高値を前回の2012年11月・12月および2007年10月-12月に行われた測量結果と比較することで,2012年11月・12月から2013年10月・11月の期間および2007年10月-12月から2013年10月・11月の期間における地盤上下変動量を計算した.その結果,これらの期間において,姶良カルデラを中心とした地盤の隆起が確認される一方,桜島中心部付近では地盤の沈降が確認された.茂木モデルに基づき,上下変動量データから圧力源の位置を求めると,どちらの期間についても姶良カルデラ中央部地下に増圧源が,また桜島中央部直下に減圧源が推定された.
これらの結果は,姶良カルデラ地下のマグマ溜りにおいてマグマの貯留が継続して進行していることを示している.一方で,桜島直下のマグマ溜りにおいてはマグマの放出量が増大する傾向となってきていることを示唆しており,近年の昭和火口における噴火活動の活発化を反映したものであると考えられる.