16:15 〜 16:30
[SVC55-P34_PG] インドネシア,シナブン火山の最近の噴火活動
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:インドネシア, シナブン, 火山噴火, 火砕流, 溶岩流, 角閃石安山岩
インドネシア,北スマトラに位置するシナブン火山は,2010年8月,9月に有史以来初めての水蒸気爆発を起した。その後,2013年9月に入って再びマグマ水蒸気爆発が開始し,同年11月にかけて,噴煙高度が5kmに達する激しい噴火活動続けた。11月中旬からは火山灰中にマグマ物質の混入が認められ,11月23日のブルカノ式噴火では北東部に軽石が放出された。また,この噴火では噴煙が崩壊して小規模な火砕流が発生した。12月上旬から,噴火活動は見かけ上は停滞したものの,中旬にかけて低周波地震が起こるようになり,山頂部の膨張が加速していた。山頂火口の崩壊に続き,12月下旬から山頂火口に溶岩が出現し始めた。山頂火口の溶岩はドーム状に成長し,12月30日から南東斜面へ崩落し始め,火砕流となって南東斜面を流れ下った。溶岩ドームは崩落を繰り返しながらも成長し南東斜面の上を伸び,1月下旬には水平距離1kmを超す溶岩流となった。溶岩の崩落は一日数十回程度の発生を続けている。2月1日の崩壊で発生した火砕流の流走距離は4.5kmで,山頂から5km以内の危険区域に入域していた地域住民15名が犠牲となった。
現在,発生している噴火活動は,9?10世紀の火山活動と,場所や規模も含めて,酷似した噴火である。また,雲仙普賢岳やカリブ海モンセラート島のスフリエールヒルズ火山とも酷似した噴火であり,溶岩流の形成と崩壊による火砕流発生が,比較的長期にわたって継続するものと考えられる。
2013年から噴火を繰り返しているマグマの組成は,11月23日噴火の軽石や1月11日に回収された火山灰中の溶岩片の分析結果によると,9-10世紀の噴火(SiO2 59-60%)と似た角閃石安山岩(SiO2 58-59%)であり,後者に比べてやや珪酸分に乏しい。
現在,発生している噴火活動は,9?10世紀の火山活動と,場所や規模も含めて,酷似した噴火である。また,雲仙普賢岳やカリブ海モンセラート島のスフリエールヒルズ火山とも酷似した噴火であり,溶岩流の形成と崩壊による火砕流発生が,比較的長期にわたって継続するものと考えられる。
2013年から噴火を繰り返しているマグマの組成は,11月23日噴火の軽石や1月11日に回収された火山灰中の溶岩片の分析結果によると,9-10世紀の噴火(SiO2 59-60%)と似た角閃石安山岩(SiO2 58-59%)であり,後者に比べてやや珪酸分に乏しい。