11:30 〜 11:45
★ [U01-09] GRENEプロジェクトで開発されたFMSによる飯舘村での放射性セシウム汚染土壌の環境モニタリング
キーワード:除染, 放射線, 土壌, モニタリング, データベース, GRENEプロジェクト
福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムの多くは5cm以内の表土に蓄積されている。そのため、日本政府(農林水産省)は農地除染のための3つの工法(表土剥ぎ取り、代かき、反転耕)を推奨している。現場ではこの3つの工法のうち主に表土剥ぎ取りによる除染が行われ、汚染土を含むフレコンバッグが水田に山積になっている。しかし、まだ汚染土の最終処分場は決まっていない。早期帰村と農業再生のためには、農家自身ができる除染方法を見つけることが緊急かつ重要な課題である。そこで、私たちは福島県飯舘村の水田で表土剥ぎ取り法と反転耕を組み合わせて、汚染表土を埋設する現場実験に挑戦している。私たちは“丁寧に”汚染土を処理するこの工法を「までい工法」と命名した。現在、私たちはGRENEプロジェクトにおける農業研究用に開発した現地モニタリングシステム( FMS )に土壌放射線センサを取り付け、埋設した汚染土からの放射線量を監視している。降雨や灌漑による地下水の急速な変化にもかかわらず、現時点で埋設汚染土からの放射性セシウムの漏洩は確認されていない。この発表では、GRENEプロジェクトで開発したFMSの概要を説明すると共に、重要なグローバルデータの一つとして、福島における土壌放射線データベースの構築を提案したい。