日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-02_28AM2] Particle Geophysics

2014年4月28日(月) 11:00 〜 12:42 419 (4F)

コンビーナ:*田中 宏幸(東京大学地震研究所)、渡辺 寛子(東北大学ニュートリノ科学研究センター)、Cristiano Bozza(U-Salerno)、Dominique Gibert(IPGParis)、William McDonough(U-Maryland)、John Learned(U-Hawaii)、座長:田中 宏幸(東京大学地震研究所)

11:45 〜 11:54

[U02-P07_PG] 地球ニュートリノの測定精度向上に向けたカムランドのアップグレード計画

ポスター講演3分口頭発表枠

*小原 脩平1 (1.東北大ニュートリノ科学研究センター)

キーワード:geo-neutrino

素粒子の一種であるニュートリノは、弱い相互作用を通してのみ他の粒子と反応する。東北大RCNSは、大型ニュートリノ検出器KamLANDを用いてニュートリノ科学について研究している。 地球内部の放射性熱源の推定や地球モデルの構成元素への制限をするには、地球内部で起こるベータ崩壊によって生じる地球ニュートリノを測定することが唯一の方法である。
 KamLAND検出器は低エネルギーの反電子ニュートリノを検出することが可能な点が特徴である。238U や232Th などの放射性元素は以下の様に崩壊し、(反)電子ニュートリノ(地球ニュートリノ)を放出する。
238U➞ 206Pb+8 4He+6e-+6νbare+51.7[MeV]
232Th➞ 208Pb+64He+4e-+4νbare+42.7[MeV]
地球ニュートリノを測定することで、放射性熱源について直接知ることができる。実際にKamLANDは過去に地球ニュートリノの測定を通して結果を出していて、238U や232Thによる放射性熱源が20.1-9.1+9.1 TWであるとの推定を行った。これは地球の全熱流量である44 ± 1TWよりも明らかに小さい結果である。
 KamLAND検出器の感度上昇を目標として、アップグレード計画(KamLAND2)が進行中である。例えば、大光量液体シンチレータ、集光ミラー、高量子効率の光電子増倍管(PMT)、カメラ、光るフィルムなどが挙げられる。
 KamLAND2実験においてはエネルギー及び位置分解能の向上が見込まれていて、これによって地球ニュートリノがより高い精度で、かつ多くの統計を得ることが可能となる。すなわち、モデルの検証や238U と232Th比を求めるための精度があがる。
 本講演では将来計画とそのR&Dに関して発表する。