18:15 〜 19:30
[U06-P15] アグリゲートタイプイトカワ粒子の3次元構造について
キーワード:イトカワ, 小惑星, アグリゲート, 3次元構造, 放射光CT
微小天体表層においては、衝突やそれに起因した振動による破砕・摩耗などにより生じたレゴリス粒子が存在している。その形成過程・成因を探ることで、微小天体や、その前駆天体の物理・化学的環境を知ることが出来ると考えられる。
小惑星探査機「はやぶさ」は2010年6月、S型の地球近傍小惑星イトカワから表層の試料を地球に帰還させた (Abe et al., 2011)。この微小天体表層のレゴリス粒子の中でも微小な構成粒子の集合体(アグリゲート)タイプの粒子について、その3次元構造を明らかにし、最終的に微小構成粒子の3次元配置とその形成過程を解明することにより、その粒子の形成環境を明らかにするのが本研究の目的である。
本研究では、初期記載された400個超のはやぶさ帰還粒子の内、JAXAの配分枠の中から選ばれた5つのアグリゲートタイプイトカワ粒子(粒径55-128μm)について、まず放射光CTの手法を用いて3次元構造解析を行った。脆い構造のアグリゲート粒子の放射光CTを行う為に、微小な逆ピラミッド形状の窒化ケイ素膜から成る試料ホルダーの内部に粒子を設置した。これをSPring-8のBL47XUにおいて7keV、8keVの2種のエネルギーの放射光を照射し、得られた透過X線像を元に計算機により3次元内部構造を再構成する。それぞれのエネルギーによる鉱物のX線吸収係数の差から鉱物種を識別する事が可能となる(Tsuchiyama et al., 2013)。
現在、取得データの計算機による解析中である。今後はこのデータを元に微小構成粒子の3次元配置を明らかにし、その形成過程について考察を行う予定である。また、微小粒子間の微細構造を明らかにする為に、それら粒子の一部について、集束イオンビーム加工装置により超博切片を作成し、透過顕微鏡観察を行う予定である。
参考文献:
Abe M. et al. (2011) LPS XLII, Abstract #1638.
Tsuchiyama et al. (2013) GCA 116, 5.
小惑星探査機「はやぶさ」は2010年6月、S型の地球近傍小惑星イトカワから表層の試料を地球に帰還させた (Abe et al., 2011)。この微小天体表層のレゴリス粒子の中でも微小な構成粒子の集合体(アグリゲート)タイプの粒子について、その3次元構造を明らかにし、最終的に微小構成粒子の3次元配置とその形成過程を解明することにより、その粒子の形成環境を明らかにするのが本研究の目的である。
本研究では、初期記載された400個超のはやぶさ帰還粒子の内、JAXAの配分枠の中から選ばれた5つのアグリゲートタイプイトカワ粒子(粒径55-128μm)について、まず放射光CTの手法を用いて3次元構造解析を行った。脆い構造のアグリゲート粒子の放射光CTを行う為に、微小な逆ピラミッド形状の窒化ケイ素膜から成る試料ホルダーの内部に粒子を設置した。これをSPring-8のBL47XUにおいて7keV、8keVの2種のエネルギーの放射光を照射し、得られた透過X線像を元に計算機により3次元内部構造を再構成する。それぞれのエネルギーによる鉱物のX線吸収係数の差から鉱物種を識別する事が可能となる(Tsuchiyama et al., 2013)。
現在、取得データの計算機による解析中である。今後はこのデータを元に微小構成粒子の3次元配置を明らかにし、その形成過程について考察を行う予定である。また、微小粒子間の微細構造を明らかにする為に、それら粒子の一部について、集束イオンビーム加工装置により超博切片を作成し、透過顕微鏡観察を行う予定である。
参考文献:
Abe M. et al. (2011) LPS XLII, Abstract #1638.
Tsuchiyama et al. (2013) GCA 116, 5.