日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

口頭発表

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[U-07_1PM1] Future Earth - 持続可能な地球へ向けた統合的研究

2014年5月1日(木) 14:15 〜 16:00 501 (5F)

コンビーナ:*氷見山 幸夫(北海道教育大学教育学部)、中島 映至(東京大学大気海洋研究所)、安成 哲三(総合地球環境学研究所)、植松 光夫(東京大学大気海洋研究所)、座長:小池 俊雄(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻)

15:35 〜 16:00

[U07-12] 超高解像度地球環境予測によるFuture Earth研究の推進

*沖 大幹1 (1.東京大学生産技術研究所)

キーワード:フューチャーアース, オフラインシミュレーション, 超高解像度, 人新世

人間が地球システムの一部であり、現在は人間活動が地球環境を変えつつあるAnthropocene(人類世)に入っているという認識は一般的となったが、それはいつ頃からどのように展開してきたのであろうか。人口の増大や経済発展、都市化の進展が資源消費やいわゆる温室効果ガスの増大、土地被覆・土地利用の変化を通じて気候変動や資源枯渇、生態系サービスの劣化を招き、食料、水、エネルギーなどへの安定したアクセスへの障害や貧富の差の拡大、災害被害の甚大化をもたらして、結果としては健康で文化的な生活を阻害しつつあるとしても、世界各地域の生態系、人間社会はどのように変化しつつあって、地域・地球環境とどのように相互作用しているのであろうか。こうした問いに答えるには、産業革命以降現在までの150年と今後150年、あわせて300年にわたるいわば地球人間圏の大転換期を俯瞰し、日本、アジア、世界という領域を対象として、人間社会も含んだ地球環境の観測や現地調査、社会統計情報や地域・地球環境変化に関する歴史的資料の収集などによって人間社会環境変化のデータを集積し、時空間変動を統合的に解析・マッピングし、地球人間圏がどのように変動してきたのかをつまびらかに記述し、様々な地球人間圏要素間の相互作用環を解明する必要がある。その基礎情報提供のため次のような超高解像度地球環境予測プロジェクトを提案する。対象は地球上の全大陸とし、最終的には1km(30秒)格子でエネルギー、水、物質循環、炭素収支等を過去150年間、将来150年間にわたって推計し、人間活動に伴う社会変化、気候変動の影響を包括的に考慮しつつ、持続可能なエネルギーや食料、水などの資源、人間健康、生態系サービスのこれまでの変化や、今後懸念される問題点を超空間分解能で明らかにする。日本でもNICAMによる世界で唯一の超高解像度気候予測、動的植生モデルSEIB-DGVMや人間活動も考慮できる陸面水文・水資源モデルH08/HiGW-MAT、氾濫を考慮したCaMa-Floodなど先端的なモデル群、衛星による地球観測と地上観測を統合したDIAS、太陽光/風力などの潜在的発電容量推計モデル、社会経済モデルAIM/ALPSIIや防災分野との連携などが揃っており実現可能性は高い。Future Earthに合わせて予備研究を開始し、早期の実現が期待される。