18:15 〜 19:30
[SMP42-P01] 紫外線と水による福島県川俣町水晶山産鉄カンラン石の変質
キーワード:紫外線, 水, 鉄カンラン石, 水酸化鉄, マグヘマイト, 変質
筆者は、2年前のこの大会で、八丈島産鉄かんらん石の紫外線と水による鉄カンラン石の変質について報告した。その後同様の実験を、福島県川俣町水晶山産鉄カンラン石で行ってみた。
福島県川俣町産鉄カンラン石は、全体として暗緑色を呈している。鉄カンラン石試料は、福島県川俣町水晶山産のものであり、地質関連の業者2社(A社B社とする) からそれぞれ50g程購入したものをハンマーで砕き、2g前後の塊状の試料にしたものである。試料はその後、表面についている微粉末を取り除くために、水道水に浸し3分間の超音波洗浄を4回行った後、精製水に浸し3分間の超音波洗浄を1回行った。A社のものは、野外における風化の程度がそれほど進んでおらず新鮮な面が多い。この試料を試料Aとした。B社のものは風化がある程度進み、表面が赤褐色に変色した部分が多い。この試料を試料Bとして、どちらも次の実験を行った。
精製水を満たした石英試験管に2g程の塊状の鉄カンラン石を入れた。そして254 nm をピークとする紫外線を照射した。対照実験として、同じ条件で紫外線を照射しない実験も行った。紫外線は3ヶ月照射した。なお、照射開始時の照度は40W/m2程である。
その結果、試料Bの紫外線を照射したものには、褐色の0.1mm以下の微粒子が多数生じた。この微粒子は、XRDによる分析から、マグヘマイト、水酸化鉄、二酸化マンガンの3種が含まれている可能性があることがわかった。試料Bの紫外線を照射しないものは、ほとんど変化はなかった。試料Aでは、紫外線を照射した方もしない方も、ほとんど変化はなかった。
野外における風化の進んだ試料Bの場合は、水中に溶け出る鉄イオンの量が多く、紫外線と水のはたらきで、鉄イオンの酸化が促進され、酸化鉄の粉末が多く生じたと推定している。一方、試料Aの場合は、水中に溶け出る鉄イオンの量が少なく、紫外線を照射しても酸化鉄はほとんど生じないと推定した。
福島県川俣町産鉄カンラン石は、全体として暗緑色を呈している。鉄カンラン石試料は、福島県川俣町水晶山産のものであり、地質関連の業者2社(A社B社とする) からそれぞれ50g程購入したものをハンマーで砕き、2g前後の塊状の試料にしたものである。試料はその後、表面についている微粉末を取り除くために、水道水に浸し3分間の超音波洗浄を4回行った後、精製水に浸し3分間の超音波洗浄を1回行った。A社のものは、野外における風化の程度がそれほど進んでおらず新鮮な面が多い。この試料を試料Aとした。B社のものは風化がある程度進み、表面が赤褐色に変色した部分が多い。この試料を試料Bとして、どちらも次の実験を行った。
精製水を満たした石英試験管に2g程の塊状の鉄カンラン石を入れた。そして254 nm をピークとする紫外線を照射した。対照実験として、同じ条件で紫外線を照射しない実験も行った。紫外線は3ヶ月照射した。なお、照射開始時の照度は40W/m2程である。
その結果、試料Bの紫外線を照射したものには、褐色の0.1mm以下の微粒子が多数生じた。この微粒子は、XRDによる分析から、マグヘマイト、水酸化鉄、二酸化マンガンの3種が含まれている可能性があることがわかった。試料Bの紫外線を照射しないものは、ほとんど変化はなかった。試料Aでは、紫外線を照射した方もしない方も、ほとんど変化はなかった。
野外における風化の進んだ試料Bの場合は、水中に溶け出る鉄イオンの量が多く、紫外線と水のはたらきで、鉄イオンの酸化が促進され、酸化鉄の粉末が多く生じたと推定している。一方、試料Aの場合は、水中に溶け出る鉄イオンの量が少なく、紫外線を照射しても酸化鉄はほとんど生じないと推定した。