日本地球惑星科学連合2015年大会

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口頭発表

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[U-03] 日本地球惑星科学連合と学術出版の将来

2015年5月27日(水) 14:15 〜 16:00 国際会議室 (2F)

コンビーナ:*川幡 穂高(東京大学 大気海洋研究所)、小田 啓邦(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、津田 敏隆(京都大学生存圏研究所)、座長:川幡 穂高(東京大学 大気海洋研究所)、小田 啓邦(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

15:20 〜 15:30

[U03-04] 雑誌「Earth, Planets and Space」のopen access化と今後の展望

*小川 康雄1小田 啓邦2 (1.東京工業大学、2.産業技術総合研究所)

キーワード:Earth, Planets and Space, オープンアクセス, 研究成果公開促進費, ビジネスモデル転換, 学術出版社, 学術出版社

欧文学術誌Earth, Planets and Space (EPS誌)は地球電磁気・地球惑星圏学会,日本地震学会,日本火山学会,日本測地学会,日本惑星科学会の5学会によって共同出版されている地球惑星科学分野のジャーナルである。EPS誌はJournal of Geomagnetism and GeoelectricityおよびJournal of Physics of the Earthの 2 誌の後継誌として 1998 年に創刊された。EPS 誌では5学会のカバーする地球電磁気学・超高層学・宇宙科学・地震学・火山学・測地学・惑星科学を中心とした論文の投稿を受け付けている。EPS 誌は平成 25 年度の研究成果公開促進費「国際情報発信力強化」で5年間の出版事業計画のサポートをうけつつ、2014 年 1 月からオープンアクセス出版が実現した。様々な広報活動や雑誌のホームページなどによるvisibilityの向上によって、2014年の投稿数が297件に達した。これは前年比で5割増になる。投稿から出版までは平均6ヶ月であり、2013年のIFは3.06を達成した。letterを重視する編集方針で、letterの投稿料(APC)を低く抑えている。良質の論文の投稿を促すために、編集委員あるいは5学会から推薦された著者にFrontier letterという投稿料無料のカテゴリーを設定している。また、特集号についても積極的に提案を受けつけており、これまでに10件もの特集号が立ち上がった。特集号によっては5学会に関連する周辺分野の論文も数多く掲載され、雑誌のスコープの広がりを見せている。
2016 年 1 月以降のできるだけ早い時期から日本地球惑星科学連合と共同で連携しながら出版を行う予定である。講演では、将来の雑誌の運営方針についても述べる。