[S-GL38] 上総層群における下部ー中部更新統境界GSSP

[SGL38-P02] 中下部更新統，中上部上総層群の詳細テフラカタログ

*中里 裕臣¹、七山 太² (1.農業・食品産業技術総合研究機構　農村工学研究所、2.産業技術総合研究所　地質情報研究部門)

キーワード：中?下部更新統, 中?上部上総層群, テフラカタログ, 茂原地域, 房総半島, 千葉県

房総半島に分布する上総層群は，日本を代表する中下部更新統の一つである．上総層群は深海から浅海までの堆積環境で形成された連続的な堆積物で構成されており，天然ガスとヨウ素に富む鹹水のリザーバとしても知られている．上総層群では古くから数多くのテフラ層の認定に基づき層序区分が行われてきた．著者らは，中上部上総層群が分布する茂原地域における地質図幅調査の一環として，従来のテフラ層序を再確認し，テフラカタログを作成した．上総層群大田代層中部のO7から笠森層のKs4までの間で確認されたテフラは139層である．これらの中には中下部更新統境界を指示するByk-Eテフラも含まれる．テフラの同定には，火山ガラス，斜方輝石及び角閃石の屈折率とともに，一部のテフラについては火山ガラスの主成分化学組成を用いた．房総半島北西部の銚子地域では同時代の地層について酸素同位体比曲線が求められており，テフラの対比により各テフラのMIS年代を求めることができる．