日本地球惑星科学連合2015年大会

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セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 地球惑星科学のアウトリーチ

2015年5月24日(日) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)

[G03-P02] 身近で豊かな自然環境を利用した環境リテラシーを育むためのフィールドワーク実践例

*下岡 順直1李 盛源1 (1.立正大学地球環境科学部環境システム学科)

キーワード:身近な自然環境, 環境リテラシー, ジオツアー, フィールドワーク

立正大学熊谷キャンパスが立地する荒川中流域右岸は、今でも豊かな自然環境が残っている。この身近な自然環境を「ひとつの実験室」とみなし、ジオツアーができるコースを複数作成した。そして、学生が「環境リテラシー」の源泉となる自然環境への意識や関心を高める機会を増やすことを目的に、大学の「環境に関する実習科目」で使用できる教材として体系的に構築することを試みた。
今回は、地圏分野と水圏分野を軸に自然環境をシステム的に学ぶことができるコースを主に構築した。まず、「石材」、「露頭」、「水環境」および「土地利用」をキーワードに大学キャンパス内およびその周辺地域で観察可能な地点を選定した。選定地点をGPSなど地理空間情報で地図にプロットし、写真とこれまでの調査データを体系化して結びつけてガイドブックを編成した。大学の実習時間は90分と180分が目安となることから、ジオツアーの距離は実習時間に合わせた。さらに、ロングコースとして半日で回ることができるジオツアーも作成した。
現在5コースを作成し、筆者らが担当する実験実習科目において、作成したガイドブックを用いてジオツアーを試みた。また、地圏と水圏で合同ジオツアーを有志の学生と行った。ジオツアー後に教育効果をはかるために、アンケートおよび「ふりかえり」作業を実施した。学生達の反応は概ね肯定的であり、合同ジオツアーでは普段の実習では行えない両分野の長所が生かされ、隣接した分野の内容も学べたことは意義深かったことが学生の「ふりかえり」作業から読み取れた。