09:30 〜 09:45
[PPS21-03] Riemann Solverを用いないWeighted Particle Hydrodynamics法の開発
キーワード:流体力学, 数値計算, 原始惑星系円盤
天文学や地球惑星科学の分野において、流体の数値計算は非常に重要である。特に、流体の粗密の大きい系強く、かつ自己重力などの導入が安易な、Smoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法と呼ばれている粒子的手法が、現在まで広く用いられている。
しかしながら近年、このSPH法に関するいくつかの問題点が指摘されるようになった。一つの問題点は、流体不安定が起きないということである。この問題点に関しては、近年様々な研究がなされ、解決された。しかしながらSPH法にはもう一つの問題点が指摘されてきた。それは、円盤構造が適切に計算できないというものである。天文や惑星科学の分野では、星周円盤や原始惑星系円盤など、円盤構造は頻出の構造であるため、円盤構造が適切に計算できないのは大きな問題である。
一方近年、Weighted Particle Hydrodynamics(WPH)法と呼ばれる新たな粒子法的流体数値計算手法が開発された。様々なテスト計算が行われた結果、本手法ではSPH法の問題点である、流体不安定が起きないという点、また、円盤が適切に計算できないという点という問題点がどちらも解消されている事がわかった。WPHは、強力な流体数値計算手法になる事が期待される。
しかしながら、WPHは今のところ粒子間相互作用の計算にRiemann Solverを用いており、状態方程式が理想気体に限定されてしまっている。惑星科学の分野では、岩石や鉄といった物質を扱う必要があり、このままではWPHは適用しづらい。そこで、本研究では、Riemann Solverの代わりに人工粘性を用いることで、WPHを任意の状態方程式に拡張することを考えた。いくつかのテスト計算を行った結果、人工粘性を用いても、WPHのメリットである、流体不安定が正しく描画できる、円盤が適切に計算できるといった点は失われていない事が確認された。我々の実装は任意の状態方程式を用いる事ができる、汎用性の高い手法であると言える。
しかしながら近年、このSPH法に関するいくつかの問題点が指摘されるようになった。一つの問題点は、流体不安定が起きないということである。この問題点に関しては、近年様々な研究がなされ、解決された。しかしながらSPH法にはもう一つの問題点が指摘されてきた。それは、円盤構造が適切に計算できないというものである。天文や惑星科学の分野では、星周円盤や原始惑星系円盤など、円盤構造は頻出の構造であるため、円盤構造が適切に計算できないのは大きな問題である。
一方近年、Weighted Particle Hydrodynamics(WPH)法と呼ばれる新たな粒子法的流体数値計算手法が開発された。様々なテスト計算が行われた結果、本手法ではSPH法の問題点である、流体不安定が起きないという点、また、円盤が適切に計算できないという点という問題点がどちらも解消されている事がわかった。WPHは、強力な流体数値計算手法になる事が期待される。
しかしながら、WPHは今のところ粒子間相互作用の計算にRiemann Solverを用いており、状態方程式が理想気体に限定されてしまっている。惑星科学の分野では、岩石や鉄といった物質を扱う必要があり、このままではWPHは適用しづらい。そこで、本研究では、Riemann Solverの代わりに人工粘性を用いることで、WPHを任意の状態方程式に拡張することを考えた。いくつかのテスト計算を行った結果、人工粘性を用いても、WPHのメリットである、流体不安定が正しく描画できる、円盤が適切に計算できるといった点は失われていない事が確認された。我々の実装は任意の状態方程式を用いる事ができる、汎用性の高い手法であると言える。