日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG16] Deep Carbon Cycle

2015年5月28日(木) 16:15 〜 18:00 201A (2F)

コンビーナ:*佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)、鍵 裕之(東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設)、大谷 栄治(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、座長:佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)、鍵 裕之(東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設)、大谷 栄治(東北大学大学院理学研究科地学専攻)

16:15 〜 16:30

[SCG16-09] 弾性波速度を用いた海底泥火山の炭化水素ガスフラックス推定の試み

*喜岡 新1大塚 宏徳1辻 健2芦 寿一郎1 (1.東大・大気海洋研、2.九大・カーボンニュートラル・エネルギー研)

キーワード:海底泥火山, メタンガス量, 弾性波速度

泥火山は地球上の地質現象の中で最も多量の炭化水素ガスを大気中に放出するソースであると考えられている。海底泥火山から放出されるガスの組成や起源の解明について様々な研究が行われており、生物起源と熱分解起源のメタンが主であることがわかっている。そして近年の長期観測によって、海底泥火山から放出されるメタン量は予想された以上に多いことがわかってきた。しかしながら、深部掘削やin-situでの測定等が必要なため、海底泥火山内部に潜在するメタン量の推定は困難である。そこで本研究では、弾性波速度からガス量を算出するスキームを考えた。このモデルにより、例えば構造探査で得られるデータを用いて、海底泥火山火道内に存在するメタンガス量を推定することが可能となる。また、海底泥火山からの平均的なメタンガスフラックスを近似的に見積もることもできるであろう。さらに本研究は、泥火山山体内のメタンガス量の評価だけでなく、泥火山がプレート沈み込み帯ウェッジ内の物質循環に果たす役割や“Missing methane”の解明などにも大いに貢献するであろう。本発表では、熊野沖南海付加プリズムに発達する活動的な海底泥火山へのアプリケーションを紹介する。