日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 地球惑星科学のアウトリーチ

2015年5月24日(日) 09:00 〜 10:45 106 (1F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、座長:小森 次郎(帝京平成大学)、下岡 順直(立正大学地球環境科学部環境システム学科)

10:00 〜 10:15

[G03-05] アストロバイオロジーをテーマにした科学コミュニケーションツールの開発

*新井 真由美1仁田原 翔太2望月 銀子3桑原 純子3齋藤 啓子3網蔵 和晃4藤井 友紀子5山岸 明彦2 (1.日本科学未来館、2.東京薬科大学、3.日本アストロバイオロジー・ネットワーク、4.東京工業大学地球生命研究所、5.リスと自然の研究会)

キーワード:アストロバイオロジー, 科学コミュニケーション, 生命の起源, 教育ツール, かるた

2013年8月の「生命の起原および進化/アストロバイオロジー」夏の学校で、専門家および学生らを対象に、「アストロバイオロジーかるたをつくろう」というワークショップを開催した。このワークショップの主な目的は2つあり、1つ目は夏の学校参加者同士の交流を深めること、2つ目はアストロバイオロジーに接する専門家らに、科学コミュニケーション研修の一環として、科学の内容を簡潔な言葉やイラストを用いて伝える練習をかるたの制作を通じて行うこととした。ここでは、かるたのプレーヤーを仮に「高校生」と設定し、利用場面と目的を「大学等の一般公開を見に来た高校生にアストロバイオロジーを知ってもらい、興味をもってもらうこと」とした。専門家および学生ら28名を4班に分け、アストロバイオロジーに関連した用語やトピックスを入れた読み札、絵札、ミニ解説を制作した後、班ごとにかるたの内容を発表しあい、活用方法についてアイディア出しを行った。
その後、かるたは有志により様々な改良を重ねた。改良版かるたの制作にあたり、対象は子供と設定したが、高校生や本分野の専門家も利用できるように、深みのある内容も残した。各読札にはキーワードを必ず1つ入れ、より興味や関心を高めてもらう工夫として、簡単な問い(疑問)を絵札の下部に追記した。また札の裏を解説面とすることで、読札からは伝えきれない情報を補足するとともに、難易度が高くなりすぎないよう解説文の補足としてイラストや表を加えた。
かるたは、「生命の起源かるた」という名称で2014年4月に完成した。2014年5月11日には、「理科の王国2014」において小学生向けにかるた大会を実施した。同年、アストロバイオロジーの専門家や科学コミュニケーションに携わる大人向けにかるた体験会を実施した。子供から大人まで、いずれも満足度は高く好評であった。
本かるたは、2013年8月25日に開催した「生命の起原および進化/アストロバイオロジー」夏の学校でワークショップに参加した26名の案をもとに改良を加えて制作した。ここに感謝申し上げる。