18:15 〜 19:30
[SEM33-P07] 中央構造線断層帯(和泉山脈南縁)での稠密AMT観測の概要
キーワード:中央構造線断層帯, 地磁気地電流法, ダメージゾーン, 浅部比抵抗構造
中央構造線断層帯は、近畿地方の金剛山地東縁から伊予灘にかけて約360kmにわたってのびる領家帯と三波川変成帯の地質境界に位置する活断層帯である。中央構造線断層帯(和泉山脈南縁)では、吉村他(2014)によって広帯域Magnetotelluric(MT)観測が行われ、地下数10kmを対象とする比抵抗構造の推定が行われている。推定された比抵抗断面では、断層帯を境に比抵抗コントラストが確認できるが、測点間隔が数kmと粗いこともあり地下浅部の解像度が十分とは言えない。この測線は活動時期の新しい五条谷断層と活動時期の古い菖蒲谷断層をともに横切る設定となっている。活断層周辺での比抵抗構造に関するこれまでの研究によれば、断層のダメージゾーンに沿って顕著な低比抵抗領域が存在することが報告されている(例えばUnsworth et al., 1997; Yamaguchi et al., 2010)。断層の活動時期の違いによる比抵抗の相違が確認できると考える。ダメージゾーンのより詳細な構造を推定するため、稠密なAudio-frequency MT(AMT)観測を行った。
本研究のAMT観測では、五条谷断層と菖蒲谷断層を横切るように南北約5kmの測線を設定し、2014年11月9日~16日に昼間の数時間分のデータと昼間から翌朝にかけてのデータを合計38の測点で電磁場5成分の測定を行った。結果として測点間距離が平均130mという高密度な測定を実現することができた。
各観測点で得られた電場と磁場の時系列データから、10400Hz~0.35HzのMT応答関数を算出した。各観測点では相互的にリモートリファレンス処理を行っている(Gamble et al., 1979)。参照点は、同時間帯に測定した相対的にノイズの少ない観測点を使用するのに加え、さらに、長周期側の応答推定の品質改善を行うため、国土地理院江刺観測点のMT連続観測データも用いた。これらの処理により、各観測点で比較的良好な探査曲線が求まった。
本発表では、最終的な観測点ごとのMT応答関数を示すとともに予察的な比抵抗構造についても報告する予定である。
本研究のAMT観測では、五条谷断層と菖蒲谷断層を横切るように南北約5kmの測線を設定し、2014年11月9日~16日に昼間の数時間分のデータと昼間から翌朝にかけてのデータを合計38の測点で電磁場5成分の測定を行った。結果として測点間距離が平均130mという高密度な測定を実現することができた。
各観測点で得られた電場と磁場の時系列データから、10400Hz~0.35HzのMT応答関数を算出した。各観測点では相互的にリモートリファレンス処理を行っている(Gamble et al., 1979)。参照点は、同時間帯に測定した相対的にノイズの少ない観測点を使用するのに加え、さらに、長周期側の応答推定の品質改善を行うため、国土地理院江刺観測点のMT連続観測データも用いた。これらの処理により、各観測点で比較的良好な探査曲線が求まった。
本発表では、最終的な観測点ごとのMT応答関数を示すとともに予察的な比抵抗構造についても報告する予定である。