日本地球惑星科学連合2015年大会

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ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC45] 活動的火山

2015年5月27日(水) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*青木 陽介(東京大学地震研究所)

18:15 〜 19:30

[SVC45-P25] 御嶽山麓での重力観測-序報-

*本多 亮1田中 俊行1宮城 洋介2宮島 力雄1 (1.東濃地震科学研究所、2.防災科学技術研究所)

キーワード:重力, 御嶽山, 地殻変動

岐阜・長野両県に跨る御嶽山(3067 m)が2014年9月27日午前11時52分に噴火し,多くの登山客が被災(57名が死亡,6名が行方不明)した.重力観測は地下の物質移動を直接把握することができることから,火山下の物質移動をモニタリングする上で重要な観測量である.国内の重力研究グループでは協力して御嶽山の観測を行うこととなり,可能な限り早い時期に最初の観測を行っておく必要があると考え,東濃地震科学研究所の所有する絶対重力計FG5及び相対重力計CG3を用い,防災科学技術研究所と共に観測を行うとともに繰り返し観測に備えた観測点整備を行った.
 繰り返し重力観測において標高変化を把握しておく事は重要事項であるので,木股・ほか(2011)の水準測量路線上に重力観測測線を設置することとした.既に水準点として金属標が打ち込んであるが,繰り返し全く同じ場所での重力測定を確実なものとするため,水準点の傍に重力計の三脚設置のための2つの浅いくぼみをドリルで作った.水準路線上の水準点のうち,重力観測に適した場所を選び30点の測定点を設けたほか,田の原,御嶽山休暇村に各1点ずつ観測点を設けた.田の原については立ち入り制限区域内であったため,許可を得て立ち入った.
 観測点整備作業及び重力観測を2014年11月18日~21日にかけて行った.御岳町中央公民館中央部分館において絶対重力計FG5による絶対重力測定を行う傍ら,全32点の観測点で相対重力計CG3及び防災科学研究所の相対重力計CG5を用いた相対重力測定を行った.今後同様の観測を繰り返し,御嶽山の火山活動に注意を払っていく.また,今回設営した重力点についての点の記を作成した.

<参考文献>
木股・ほか,御嶽山東山麓群発地震域において精密水準測量から検出された上下変動 (2002-2009年),東濃地震科学研究所報告, 27, 67-74, 2011.