18:15 〜 19:30
[SSS31-P16] 2014年豊後水道のスロースリップ
キーワード:豊後水道, スロースリップ
はじめに
四国沖合では、M8クラスの巨大地震が150年程の間隔で発生し、九州沖合では、M7クラスの地震が20-30年程の間隔で発生してきた。豊後水道域は四国と九州に挟まれた領域で、四国側と九州側の異なるテクトニックな状態の遷移領域といえる。この豊後水道地域では、1997, 2003, 2009年に長期的なスロースリップが発生している。また短期的なスロースリップは半年程度の周期で頻繁に低周波微動の領域で発生している。このような中、この豊後水道域で2014年に入ってから、非定常変動が発生している。本研究では、2014年以降の豊後水道地域の非定常地殻変動時系列データから、豊後水道付近のプレート境界滑りを時間依存のインバージョン解析によって推定した。
解析手法
プレート境界モデルとしては、弘瀬他(2008)等によってまとめられているフィリピン海プレート上面のモデルを使用した。データとしては、2014年1月1日~2015年1月1日までのデータを使用している。観測点としては155観測点を解析に使用した。また定常状態として、2007年1月~2008年1月までのデータを使用して、年周成分とトレンド成分を推定し、座標時系列データから除いている。固定局は三隅を使用した。このように前処理したデータと、採用したプレート境界モデルを用いて、時間依存のインバージョンの解析を行いプレート境界滑りに関して調べた。
結果と考察
その結果2014年初めころから、豊後水道付近の地殻変動に非定常な変動が含まれはじめ、2014年7月頃から比較的大きな非定常変動が推定された。またこの非定常変動を説明するために、プレート間滑りが四国南西部~豊後水道を中心として発生していることが示された。モーメントマグニチュードにして6.3程度の滑りが推定されている。過去3回の長期的スロースリップはMw7.2程度のエネルギーを出しているので、今回のスロースリップは規模がかなり小さい。2006年にもやはり小規模なスロースリップが発生しているが、これら小規模な豊後水道のスロースリップとM7クラスの豊後水道スロースリップの関係がどのようになっているのかは今のところ不明瞭である。
四国沖合では、M8クラスの巨大地震が150年程の間隔で発生し、九州沖合では、M7クラスの地震が20-30年程の間隔で発生してきた。豊後水道域は四国と九州に挟まれた領域で、四国側と九州側の異なるテクトニックな状態の遷移領域といえる。この豊後水道地域では、1997, 2003, 2009年に長期的なスロースリップが発生している。また短期的なスロースリップは半年程度の周期で頻繁に低周波微動の領域で発生している。このような中、この豊後水道域で2014年に入ってから、非定常変動が発生している。本研究では、2014年以降の豊後水道地域の非定常地殻変動時系列データから、豊後水道付近のプレート境界滑りを時間依存のインバージョン解析によって推定した。
解析手法
プレート境界モデルとしては、弘瀬他(2008)等によってまとめられているフィリピン海プレート上面のモデルを使用した。データとしては、2014年1月1日~2015年1月1日までのデータを使用している。観測点としては155観測点を解析に使用した。また定常状態として、2007年1月~2008年1月までのデータを使用して、年周成分とトレンド成分を推定し、座標時系列データから除いている。固定局は三隅を使用した。このように前処理したデータと、採用したプレート境界モデルを用いて、時間依存のインバージョンの解析を行いプレート境界滑りに関して調べた。
結果と考察
その結果2014年初めころから、豊後水道付近の地殻変動に非定常な変動が含まれはじめ、2014年7月頃から比較的大きな非定常変動が推定された。またこの非定常変動を説明するために、プレート間滑りが四国南西部~豊後水道を中心として発生していることが示された。モーメントマグニチュードにして6.3程度の滑りが推定されている。過去3回の長期的スロースリップはMw7.2程度のエネルギーを出しているので、今回のスロースリップは規模がかなり小さい。2006年にもやはり小規模なスロースリップが発生しているが、これら小規模な豊後水道のスロースリップとM7クラスの豊後水道スロースリップの関係がどのようになっているのかは今のところ不明瞭である。