11:45 〜 12:00
[AAS21-16] FTIRで観測されたつくばにおけるメタンの経年変化
キーワード:フーリエ変換型分光計, 温室効果気体, メタン
東北大学と国立環境研究所では、国立環境研究所所有の高分解能フーリエ変換型赤外分光計(FTIR)を用いて、つくばにおいて1998年12月よりオゾンをはじめとする大気微量成分の地上観測を行っている。
今回報告するCH4はCO2に次ぐ温室効果気体であるが、発生源である水田、家畜、化石燃料、湿地等のそれぞれからの寄与やその変動に関しては不明な点も多く、地表付近の濃度の増加率が年によって大きく変動する原因もよく分かっていない。地表付近の観測などでは20世紀後半の増加が2000年代に入ってしばらく止まっていたが、近年再び増加傾向が見られ注目されている。
我々の観測は太陽を光源とするため晴天日に限られるが、高いS/Nと0.0035 cm-1という高波数分解能により高度分布の導出が可能である。高度分布導出にはロジャーズ法を用いたスペクトルフィッティングプログラムSFIT2を使用している。CH4の解析では3 μm付近の3つの吸収帯(2613.7 - 2615.4 cm-1、2835.5 - 2835.8 cm-1、2921.0 - 2921.6 cm-1)を同時にフィッティングしている。
解析した2001年から2014年までの日平均CH4カラム全量をみると、日々変動や季節変動もかなりあるが、経年変化については2001年から2006年頃まではほぼ一定値を示していたものが、2007年から2008年にかけて増加し、その後再び2009年から2014年にかけてはほぼ一定値を示した。CH4は主に対流圏に分布するため、カラム全量では対流圏界面の変動と相関が出やすいと考え、館野のラジオゾンデ観測値から対流圏界面高度を調べてみたが、こちらには2007年前後に有意な経年変化は見られず、対流圏の層の厚みの変化によるものではないことが分かった。一方、導出した高度分布を2004,2005年と2012,2013年とで比較してみると、個々の結果のばらつきは大きいものの明らかに2012,2013年の方が対流圏の混合比が高く、成層圏ではあまり変わらなかった。そこで、0-10kmの対流圏カラムと10-20kmの下部成層圏カラムを見てみると、2007年を挟んで増加したのは対流圏カラムであることが分かった。
今回報告するCH4はCO2に次ぐ温室効果気体であるが、発生源である水田、家畜、化石燃料、湿地等のそれぞれからの寄与やその変動に関しては不明な点も多く、地表付近の濃度の増加率が年によって大きく変動する原因もよく分かっていない。地表付近の観測などでは20世紀後半の増加が2000年代に入ってしばらく止まっていたが、近年再び増加傾向が見られ注目されている。
我々の観測は太陽を光源とするため晴天日に限られるが、高いS/Nと0.0035 cm-1という高波数分解能により高度分布の導出が可能である。高度分布導出にはロジャーズ法を用いたスペクトルフィッティングプログラムSFIT2を使用している。CH4の解析では3 μm付近の3つの吸収帯(2613.7 - 2615.4 cm-1、2835.5 - 2835.8 cm-1、2921.0 - 2921.6 cm-1)を同時にフィッティングしている。
解析した2001年から2014年までの日平均CH4カラム全量をみると、日々変動や季節変動もかなりあるが、経年変化については2001年から2006年頃まではほぼ一定値を示していたものが、2007年から2008年にかけて増加し、その後再び2009年から2014年にかけてはほぼ一定値を示した。CH4は主に対流圏に分布するため、カラム全量では対流圏界面の変動と相関が出やすいと考え、館野のラジオゾンデ観測値から対流圏界面高度を調べてみたが、こちらには2007年前後に有意な経年変化は見られず、対流圏の層の厚みの変化によるものではないことが分かった。一方、導出した高度分布を2004,2005年と2012,2013年とで比較してみると、個々の結果のばらつきは大きいものの明らかに2012,2013年の方が対流圏の混合比が高く、成層圏ではあまり変わらなかった。そこで、0-10kmの対流圏カラムと10-20kmの下部成層圏カラムを見てみると、2007年を挟んで増加したのは対流圏カラムであることが分かった。