14:45 〜 15:00
[SVC12-03] 阿蘇中岳2014-15年噴出物の時間変化
キーワード:噴火, 火山灰, マグマ, 阿蘇
阿蘇中岳で2014年11月末から開始した噴火は,2015年2月11日現在も少量のスパッターを放出しながらほぼ連続的に火山灰を放出する活動を続けている.火口の外にもたらされている噴出物の大部分は火山灰サイズの粒子であるが,火口縁にはしばしば最大数10cm大のスコリア質の火山弾が着地している.
噴火活動の推移を把握するため,噴火初期から定期的に噴出物を採取しその構成粒子の変化を追跡した.噴出物の大部分は本質物からなり,その結晶度・発泡度とも大きなバリエーションがみられる.噴火開始以降12月上旬までに噴出した火山灰は,濃褐色~黒色不透明ガラス質粒子及び黒色結晶質粒子がその大半を占めている.12月中旬以降,発泡した淡褐色ガラス粒子の割合が増加した.その後,淡褐色ガラス質粒子の量は増減しつつも比較的高い含有量(>40%)を保っている.淡褐色ガラス粒子の形状は,比較的発泡度が低く鋭利な破断面で囲まれたもの,発泡度が高くスポンジ状の外形を示すもの,溶融状態で引き伸ばされた形状のもの(ペレーの毛~涙状の粒子)が認められる.12月15-16日ごろ,25-27日ごろ,及び1月13-16日ごろの噴出物には,引き伸ばされたガラス粒子が多量に含まれている.石質岩片の含有量は全期間を通して比較的少なく30%以下であるが,1月中旬ごろの噴出物には白色変質岩片が目立つ.石質岩片を多量に含む1月中旬ごろの火山灰には,表面が摩耗した粒子や,再結晶化が進んだ粒子などがみられることから,噴出物の火口内へのフォールバックによりリサイクルしている粒子が多く含まれていることが示唆される.
噴火表面現象と噴出物構成物には今のところ明瞭な関係は認められない.
試料採取にあたっては,気象庁、京都大学火山研究センターの協力をいただいた.
噴火活動の推移を把握するため,噴火初期から定期的に噴出物を採取しその構成粒子の変化を追跡した.噴出物の大部分は本質物からなり,その結晶度・発泡度とも大きなバリエーションがみられる.噴火開始以降12月上旬までに噴出した火山灰は,濃褐色~黒色不透明ガラス質粒子及び黒色結晶質粒子がその大半を占めている.12月中旬以降,発泡した淡褐色ガラス粒子の割合が増加した.その後,淡褐色ガラス質粒子の量は増減しつつも比較的高い含有量(>40%)を保っている.淡褐色ガラス粒子の形状は,比較的発泡度が低く鋭利な破断面で囲まれたもの,発泡度が高くスポンジ状の外形を示すもの,溶融状態で引き伸ばされた形状のもの(ペレーの毛~涙状の粒子)が認められる.12月15-16日ごろ,25-27日ごろ,及び1月13-16日ごろの噴出物には,引き伸ばされたガラス粒子が多量に含まれている.石質岩片の含有量は全期間を通して比較的少なく30%以下であるが,1月中旬ごろの噴出物には白色変質岩片が目立つ.石質岩片を多量に含む1月中旬ごろの火山灰には,表面が摩耗した粒子や,再結晶化が進んだ粒子などがみられることから,噴出物の火口内へのフォールバックによりリサイクルしている粒子が多く含まれていることが示唆される.
噴火表面現象と噴出物構成物には今のところ明瞭な関係は認められない.
試料採取にあたっては,気象庁、京都大学火山研究センターの協力をいただいた.