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[BAO01-10] 低地球周回軌道環境を利用した生体有機物の無生物的生成の検証
キーワード:惑星大気, 宇宙線, タイタン, 太陽紫外線, アミノ酸, 国際宇宙ステーション
原始天体上での生命誕生に先立ち,アミノ酸,核酸などの生体関連分子が無生物的に生成したはずである。原始天体上での化学進化において,宇宙からの寄与(宇宙線や太陽紫外線など)の寄与が重要であったと考えられる。これまで,室内模擬実験においてそれぞれのエネルギーの寄与についての研究はあったが,実際の宇宙からのこれらのエネルギーフラックスにより有機物進化が可能かどうかは確認されていなかった。われわれは,国際宇宙ステーション曝露部環境を利用してその検証かどうかの検討を行った。その結果,たとえば,タイタン大気をモデルとしたメタン(5%)・窒素(95%)の混合気体を約30 mLの金属容器に封入したものを,国際宇宙ステーションのきぼう曝露部に1年以上曝露することによりアミノ酸前駆体の生成が期待できることがわかった。