日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI37] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2015年5月27日(水) 16:15 〜 18:00 203 (2F)

コンビーナ:*豊田 英司(気象庁予報部数値予報課)、若林 真由美(基礎地盤コンサルタンツ株式会社)、野々垣 進(独立行政法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、豊田 英司(気象庁予報部数値予報課)、村田 健史(情報通信研究機構)、寺薗 淳也(会津大学)、堀 智昭(名古屋大学太陽地球環境研究所 ジオスペース研究センター)、大竹 和生(気象庁気象大学校)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、座長:野々垣 進(独立行政法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、大竹 和生(気象庁気象大学校)

17:15 〜 17:30

[MGI37-08] 緊急地震速報(予報)の格納・配布に適したデータフォーマットの研究

佐藤 遼河1、*大竹 和生1 (1.気象庁気象大学校)

キーワード:緊急地震速報, データベース, JSON, NoSQL, MongoDB

2004年の試験運用開始以来、緊急地震速報の有用性を向上させるための努力が行なわれてきた。そのためには発表した情報に対する評価・検証が重要であることは言うまでもない。しかし現状では、過去に発表された緊急地震速報のデータセットというものは提供されておらず、気象庁内部においても検索性に優れた使いやすいような形で存在しているわけではない。本研究では過去に発表された“緊急地震速報(予報)”の(伝達ではなく)評価・検証について、それを行ないやすくするためのデータフォーマットを検討し、データセットを作成する。

通常の情報(予報・警報)として伝達される緊急地震速報については電文フォーマットが決まっており、それに基づいて配信が行なわれている。このフォーマットによると伝達される緊急地震速報の情報は例えば次のようないくつかの特徴を持つ。

・1つの地震に対して複数報(不定数)発表される
・電文のサイズは不定である
・データ自体が階層構造を持つ

データセットのハンドリングのためにはデータフォーマットを策定してデータベースに格納するのが定石である。しかし上記のような特徴を勘案すれば通常のリレーショナルデータベースを使用するのは得策ではない。そこで本研究ではデータフォーマットとして階層構造を表現できるXML, JSON, YAMLを検討した。その結果それぞれのフォーマットに長所はあるが、本研究に充分なデータ記述が可能であるかを中心にシンプルさや規格の整備状況や将来性、利用できるデータベースシステムといった実用性等を勘案してJSONを採用することとした。
策定したフォーマットに従いデータ変換を行なった上、MongoDBを格納するデータベースシステムとして用いた。2009年10月から2014年2月までの7124地震に対する緊急地震速報をデータベースに格納した。最終的なデータサイズは14.8MBである。
本発表では実際のデータフォーマットや実際にどのような検索が可能になったかなどを示す予定である。