日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD39] 宇宙食と宇宙農業

2015年5月24日(日) 17:15 〜 18:00 106 (1F)

コンビーナ:*片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)、座長:片山 直美(名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

17:45 〜 17:48

[MSD39-P01] 火星移住を想定した粉体(そば粉)調理におけるアレルギー管理の必要性

ポスター講演3分口頭発表枠

*近藤 祥子1片山 直美1 (1.越原学園 名古屋女子大学 家政学部 食物栄養学科)

キーワード:アレルギー, そば, 宇宙食

目的:宇宙食として適している食材について考えるとき、アレルギーの起こりにくい食材を選ぶことは重要である。しかし、食は文化であり個々人の生活に密着した内容であることを考えるとすべてを取り除くまたは排除することはできない。そこで本研究は空気中を飛散する粉体を調理する時に注意すべきことを考え、蕎麦のアレルゲンの調理過程による飛散について実験を行ったので報告する。
方法:そばは重篤なアレルギー反応をおこす危険性のある食品である。空気中を飛散しやすい蕎麦粉を用いて蕎麦掻を作った後で、同鍋を洗浄してうどん粉をすいとんとして茹でた場合の蕎麦アレルゲンの残留を調べた。さらに鍋を洗浄したあとでうどん粉をすいとんとして茹でた場合の蕎麦アレルゲンの残留を調べた。
アレルゲン検出キットであるナノトラップ(森永生化学研究所製)そばを用いて、調理後の器具、調理済み食品からの蕎麦アレルゲンの検出を行った。
結果:いずれの場合も蕎麦アレルゲンが検出された。
考察:粉の場合空気中を飛散する、さらに洗浄が十分でない場合、他の食品中にそばが残り、結果としてアレルゲンが検出されるため、アレルギーのある人に重篤なアレルギー反応が出る可能性があることが明らかとなった。宇宙においてアナフラキシーショックが起こった場合、死に至ることから、今後はより多くの食物アレルギーに関する研究が行われ必要がある。