日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS29] 大気電気学

2015年5月24日(日) 09:00 〜 10:45 A01 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、牛尾 知雄(大阪大学大学院工学研究科情報通信工学部門)、座長:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)

10:00 〜 10:15

[MIS29-05] 2013年9月16日群馬県みどり市で発生した竜巻の地上稠密観測データを用いた解析結果

*木村 孝承1小林 文明1野呂瀬 敬子1呉 宏堯2矢田 拓也2佐藤 香枝2 (1.防大地球、2.明星電気(株))

2013年9月16日02:20 JST(Japan Standard Time)頃に群馬県みどり市で発達した積乱雲の通過に伴い突風被害が発生した.この突風は,気象庁の現地調査によると竜巻(F1)であった.竜巻は,群馬県を中心に設置された地上稠密観測網内(前田ほか 2014)を移動した(小林 2014).本研究では,小型気象計POTEKAが捉えた突風被害域周辺で観測された気圧データを解析し,渦の構造を議論する.気圧の時系列変化をみると,竜巻の被害発生地点から1.6 km離れた地点では,全体的に台風の影響で下降する中,01:52~02:11 JSTで2段階の気圧降下がみられ,最終的に3 hPa降下した.また,2~5 km離れた他の2地点においても同様な気圧降下のピークがみられた.それぞれ02:03~02:11 JSTで1.4 hPa,02:03~02:11 JSTで1.3 hPa降下した.この気圧分布は修正ランキン渦モデルを用いることが適しており,マイソサイクロンのR=1km,Vmax=20m/sを仮定すると,αは0.35~0.75の範囲であった.以上のことから実際の竜巻モデルを考える際は,地上の竜巻渦とマイソサイクロンの両方を議論する必要があると結論づけられた.