日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT54] 合成開口レーダー

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*山之口 勤(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)、小林 知勝(国土交通省国土地理院)、宮城 洋介(防災科学技術研究所)

18:15 〜 19:30

[STT54-P05] X-band 及びL-band SARによる桜島のモニタリング

*宮城 洋介1小澤 拓1島田 政信2 (1.防災科学技術研究所、2.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:合成開口レーダ, 桜島, モニタリング, InSAR, PSInSAR, 地殻変動

九州南部,鹿児島県に位置する桜島は,現在日本で最も活発な火山の一つである.2006年6月に昭和火口から再開した噴火活動は,2009年以降さらに活発になり,現在でもたびたび爆発的噴火を起こしている.また2015年1月には昭和火口内に溶岩ドームの拡大が確認されている.これらの活動に関連し,姶良カルデラを中心とした広域の地殻変動と,より桜島にローカルな地殻変動が,これまでGPS,傾斜計,水準測量などにより検出されてきた[Iguchi et al., 2013; Yamamoto et al., 2013].桜島における現在の噴火活動を理解し,今後の活動を予測するためにも,定期的な地殻変動モニタリングを行う必要がある.一般的に,活動中の火山における現地観測は危険を伴うため困難であるが,人工衛星搭載のセンサを利用したリモートセンシング観測であれば,活動中の火山であっても定期的に,しかも広域を一度に観測することができる.とりわけ能動型のマイクロ波センサである合成開口レーダ(SAR)は,昼夜を問わず観測が可能であり,雲や噴煙を透過し地上を観測することができる.このため,噴火活動中でも火口周辺のモニタリングが可能であり,またその位相情報を利用した差分干渉解析(DInSAR解析)により面的な地殻変動の検出も可能となる.本研究では,X-bandとL-bandという異なる波長のSARセンサを用いた桜島火山のモニタリングの結果を紹介する.なお使用するX-band SARはCOSMO-SkyMedであり,JAXA-ASI(イタリア宇宙機関)間の共同研究協定の下データを利用した.L-band SARは2014年5月に打ち上げられたALOS-2/PALSAR-2のデータを使用した.

使用したX-band SARデータはCSKデータ(Stripmapモード,空間分解能約3m)で,2010年7月以降北行・南行両軌道から1-2回/月の頻度で取得されたデータである.CSKの回帰周期は同じ衛星の場合最短で16日間であるが,4基体制で運用されているため,本研究で使用したデータの取得間隔は最短で4日間である.しかし,取得間隔が短く,かつ垂直基線長(データを取得する2回の衛星の軌道間距離)が短い場合でも,桜島やその周辺では干渉する領域が限られてしまい(例えば鹿児島市内や地獄河原),桜島全体の地殻変動を検出するのは困難であった.またそもそも桜島の地殻変動速度は小さく[Yamamoto et al., 2013],短期間の干渉解析の結果からは,顕著な地殻変動は検出されなかった.そこで,本研究ではInSAR時系列解析用ソフトウェアであるStaMPS[Hooper et al., 2007]を用い,CSKデータを使ったPSInSAR解析を行った.その結果,桜島北部沿岸にPS点が得られ,1cm/yearの隆起が検出された.また地獄河原周辺には逆に1cm/year程度の沈降が検出された.これらは同時期に行われた水準測量の結果[山本,2012]と調和的である.ただし地形の影響による大気誤差を含んでいる可能性も考えられる.使用したL-band SARデータはALOS-2/PALSAR-2データ(Stripmapモード,空間分解能約3m)で,2014年9月以降北行・南行両軌道から観測されており,最新の解析結果を紹介する.