日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG30] 太陽系小天体研究の新展開

2015年5月26日(火) 16:15 〜 18:00 A02 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*荒川 政彦(神戸大学大学院理学研究科)、中本 泰史(東京工業大学)、渡邊 誠一郎(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻)、安部 正真(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、石黒 正晃(ソウル大学物理天文学科)、座長:荒川 政彦(神戸大学大学院理学研究科)

17:45 〜 17:48

[PCG30-P08] ほうおう座流星群の予報計算

ポスター講演3分口頭発表枠

斉藤 雄大1、*佐藤 勲1阿部 新助1 (1.日本大学理工学部)

キーワード:ほうおう座流星, 予報計算

1956年に大出現したほうおう座流星群は、289P/ブランパン(Blanpain)彗星を母彗星とする流星群である。この流星群の特徴は、地球に対する衝突速度が10km/sと流星群の中で最も遅いことと、ダストトレールが頻繁に木星に接近して軌道を曲げられるために予報計算が困難であることである。この流星群が2014年に再び出現することが予報されたため、2次元ダストトレール計算を行い、流星を出現させる原因となるダストトレールの特定を試みた。
 1956年の大出現は、18-19世紀に低速度で放出された多数のダストトレールが同時に接近するという極めて稀な現象が起こったために、衝突速度が最低のこの流星群でも多数の火球が出現したらしいことがわかった。一方で、2014年の出現では、19-20世紀のダストトレールがばらけて接近するため、出現数はあまり多くないと予想されたが、実際の観測でもHR5程度の出現にとどまった模様である。
 ほうおう座流星群の出現には95年の周期性があり、次回の顕著な出現は2051年になると予想される