日本地球惑星科学連合2015年大会

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ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] ガスハイドレートと地球環境・資源科学

2015年5月27日(水) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*戸丸 仁(千葉大学理学部地球科学科)、八久保 晶弘(北見工業大学環境・エネルギー研究推進センター)、森田 澄人(独立行政法人 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門)

18:15 〜 19:30

[MIS24-P04] HR14 RC1403-7から得られた塊状ガスハイドレートに伴う礫

*内田 隆1千葉 明日香1松本 良2 (1.秋田大学大学院工学資源学研究科地球資源学専攻、2.明治大学ガスハイドレート研究所)

キーワード:ガスハイドレート, 日本海, 礫

日本海東縁海鷹海脚において、JOGMEC所属の海洋資源調査船「白嶺」で掘削したHR14のRC1403(Sec. 7)では、厚さ20cm以上の未固結な礫層が厚さ13cm以上の塊状ガスハイドレートの上位に認められた。この礫層から1100+個の礫を回収し、各礫について長径、短径、短径/長径比、円磨度(5ランク)、球形度(4ランク)の測定のほか、岩質および色を調査した。
礫径はほぼ中礫(平均8.29mm)であり、灰白色から暗灰色の石灰質泥岩のみからなる。円磨度と球形度のきわめて良い円礫(長径/短径比平均0.765)を主とする。礫径分布の積算曲線を確立プロットしたところ、ほぼ1本のセグメントとなり正規分布を示すことから、エネルギーの強い流れによって供給されたことが示唆される。
礫層の上位層および塊状ガスハイドレート層の下位層は未回収であったため、礫層の層位関係は不明である。また、下位の塊状ガスハイドレートの上部10㎝程度まで同様な礫が含有されているように見えたが、礫径分布は礫層本体とほぼ同様であった。ガスハイドレート生成時に上位の礫層の一部を取り込んだものか、またはコアバレルの縁周辺に多く認められたことから掘削によって未固結な礫がハイドレート中に押し入れられた可能性もあるかも知れない。礫はすべて石灰質泥岩であり、色も明~暗灰色であり、異種礫は認められなかった。これらの堆積の場と起原については現在検討中である。
本研究は平成26年度経産省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。