12:30 〜 12:45
[MIS26-14] 野生生物の微量元素レベルを決める要因は何か?
キーワード:微量元素, 重金属類, 野生生物, 種特異性, 元素特異性
野生生物の微量元素(重金属)濃度におけるバックグラウンド・レベルを把握することは、生態影響評価を行う上でも重要となる。つまり、野生生物の化学物質蓄積および感受性には種間差があることが知られ、特殊な超濃縮現象も知られている。これらの正確な把握なしには、生態系における化学物質の影響評価において、誤った結論を導き出してしまう可能性がある。このルールは重金属類を含む微量元素にも当てはまる。むしろ、多くの元素で必須性が疑われる生体微量元素および重金属類においては、最適濃度範囲の変動によって、より複雑になることも予想される。
本報では、とくに野生動物体内の微量元素レベルに着目し、どのような要因が種の組織・器官における濃度を決定するか、幾つかのケースを用いて検討した結果を報告する。それらは、餌生物に代表される生息環境の微量元素レベルに加え、種および分類グループがもつ特異性や、行動や生理が影響を受ける生息環境の要因、元素間関係なども関与している可能性を示唆している。
このような野生生物における微量元素蓄積の精確な把握は、生態影響評価の分野のみならず、生物の“化学進化”解明にも新しいヒントをもたらす可能性がある。つまり、生物と環境の相互作用のみならず、生物進化の本質にも迫れる可能性も期待され、今後の本分野における野心的な展開が期待される。
本報では、とくに野生動物体内の微量元素レベルに着目し、どのような要因が種の組織・器官における濃度を決定するか、幾つかのケースを用いて検討した結果を報告する。それらは、餌生物に代表される生息環境の微量元素レベルに加え、種および分類グループがもつ特異性や、行動や生理が影響を受ける生息環境の要因、元素間関係なども関与している可能性を示唆している。
このような野生生物における微量元素蓄積の精確な把握は、生態影響評価の分野のみならず、生物の“化学進化”解明にも新しいヒントをもたらす可能性がある。つまり、生物と環境の相互作用のみならず、生物進化の本質にも迫れる可能性も期待され、今後の本分野における野心的な展開が期待される。