日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 地球惑星科学のアウトリーチ

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:45 106 (1F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、座長:植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、千葉 崇(筑波大学生命環境系)

12:21 〜 12:24

[G03-P05] 100円ショップの材料と道具だけを使った簡易地震計の作成

ポスター講演3分口頭発表枠

*村越 匠1 (1.防衛大学校 地球海洋学科)

キーワード:地震計, 教材, 100円ショップ, スマートフォン, アウトリーチ

本研究では,材料の入手と工作作業が簡単な地震教材として簡易地震計の作成を行った.手作りの地震計については,2003年開催の国立科学博物館「THE 地震展」,日本地震学会2014年度秋季大会「親と子の防災教室」や大学・研究機関の研究室一般公開などにおいて,ペットボトルや身近な材料を使った地震計の展示や工作教室が行われている.作成法については,インターネット上でいくつか公開されているペットボトルを使った地震計の作成の他には,岡本(2014)による信号増幅回路やAD変換についても考慮した「フィルム地震計」,大森・利安(2005)の板バネを使った機械式の水平動地震計の作成などがある.防衛大学校においても研究室の一般公開で,ペットボトル製の手作りの地震計の展示を行っている.机や床を叩いた振動がその場でディスプレイにリアルタイムで表示される様子は小中学生にも興味深いようで,夏休みの工作などで作ってみたいという希望がある.ただし,コイルの入手や工作過程(例えばハンダづけの作業)など面倒なこともあるため,ご両親と一緒であっても実際に取り組むのにはややハードルが高い.そこで材料および工作道具についても身近にあるもので揃えることができ,その工作過程も小学生でもできるように簡単になることをめざして簡易地震計の作成を行った.最近はネオジム磁石が手に入る100円ショップもあるため,すべて100円ショップで手に入るもので作成を試みた.コイルの素材となるエナメル線などについては購入可能な店舗は少ないため,目覚まし時計を分解してその中にあるコイルを巻き直して用いた.配線のハンダ付けの代用として,今回は簡易的な処置として手芸等の工作用のグルーガンも使用してみた.振動の表示部分だけは自作で無くノートPCおよびスマートフォンを利用した.スマートフォンにはマイク入力の音声をオシロスコープに表示するアプリもあるため,ノートPCのマイク入力とフリーソフトを使うのよりも簡単に振動のモニタリングができた.

【参考文献】
大森千恵子・利安義雄: 
 茨城地方の地震の教材化--簡易地震計の製作と計測を通して,茨城大学教育学部紀要 自然科学,54,1-12,2005.
岡本義雄:
 "Arduino" と "Processing" でよみがえる「フィルムケース地震計」,JpGU Meeting 2014,G04-P02,2014.