日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*鈴木 啓助(信州大学理学部)、兒玉 裕二(国立極地研究所)

18:15 〜 19:30

[ACC28-P01] PETボトルを用いた簡易型積雪重量計の開発

*今西 祐一1大井 拓磨2 (1.東京大学地震研究所、2.東邦マーカンタイル株式会社)

キーワード:積雪重量計, 超伝導重力計, PETボトル

東京大学宇宙線研究所・神岡宇宙素粒子研究施設(岐阜県飛騨市)の坑道内においては,超伝導重力計による重力観測が行われている.この場所は豪雪地帯に位置するため,冬季の積雪が及ぼす引力が,観測される重力に大きな影響を与える.その効果を補正する目的で,地表にかかる積雪荷重(質量)を測定するための,簡易型の積雪重量計を開発した.原理はスノープレッシャーピローと同様で,容器中の不凍液の圧力を圧力センサーで検出するものだが,容器に飲料用のPETボトルを用いているため設置面積が小さく安価である点が特徴である.装置に人工的に荷重をかけることにより検定試験を行ったところ,荷重と圧力との関係が線形に近い特性を示すことがわかった.開発した装置を実際に神岡の山頂に設置して試験観測を行ったところ,積雪荷重の時間変化をほぼ的確に記録したと考えられるデータが得られ,重力の時間変化ともよく対応していた.今後,このような簡易的な方法による観測を山中の多点に展開して,積雪荷重の面的なデータの取得を試みたい.