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[SGD23-11] 石垣島における水平加速度の超伝導重力計への影響
キーワード:超伝導重力計, スロースリップ, 石垣島, 水平加速度
私たちは,八重山諸島の地下で発生する長期的スロースリップの信号を検出することを目的として,2012年に沖縄県石垣島に超伝導重力計を設置した.観測を始めてみると,このような海洋島の自然環境に特有と考えられるさまざまな問題に直面した.なかでも大きな問題の一つが,脈動による地動ノイズレベルと重力値との間に相関が見られることである.台風接近時などにおける重力変化(増大)の大きさは最大で2マイクロガルにも及び,想定されるスロースリップの信号レベルと同程度かそれ以上である.ここでは,これが真の重力変化ではなく,超伝導重力計における応答の非線形性に起因する見かけの重力変化だという立場にたって,この現象を解釈することを試みる.この観測点は国立天文台VERA石垣島観測局の中にあり,VLBIの20 mアンテナが動くと周波数約5 Hzの地動ノイズが発生する.そのときには,重力にはプラスのオフセットが発生する.観測局に併設した地震計の記録を用いて分析したところ,重力変化の大きさは地動ノイズの水平成分のパワーに比例することがわかった.このことは,地動ノイズレベルが高くなると,重力センサーに内在する上下成分と水平成分のクロストークが顕在化することを示している.荒天時の周期約5秒の地面振動の影響についても同様のメカニズムで説明が可能かどうか,現在詳しい分析を行っており,その結果について発表する予定である.