12:00 〜 12:15
[ACG30-11] 衛星データを用いた日本の地上森林バイオマス推定手法の開発
キーワード:衛星データ, MODIS, 森林地上バイオマス, ランダムフォレスト
森林地上バイオマスの計測手法として、現地調査で森林の基本情報である樹木の樹種、高さ、胸高直径などを計測することにより材積量をもとめ、拡大係数と容積密度で掛け算し求める方法が広く使用されている。この方法は正確な森林地上バイオマスを把握することができるが、広域のモニタリングに適してないため、wall-to-wallマップを作成することが困難である。リモートセンシング手法を用い、衛星データを利用することで広域分布を推定することは有効な手段である。本研究では、森林バイオマスの現地調査データをグラウンドトゥルースとし、衛星データを用いて日本の陸域での森林地上炭素蓄積量を把握することを目的とした。衛星データとして主に2000~2009年のMODISの反射率データ、地表面温度、植生指数、LAIなど指数を用いランダムフォレスト手法によりバイオマスの推定を行った。
グラウンドトゥルースデータを二つのデータセットに分け、一部(90%)を使用してランダムフォレスト学習モデルを構築した。構築した学習モデルから、残りの一部のデータ(10%)から地上バイオマスを予測し、その結果を現地観測データと回帰解析を行った。回帰解析の決定係数とRMSEにより精度評価を行った。その結果、回帰決定係数(R2)は0.6、RMSEが26.37 (t ha-1)である。落葉樹林と常緑樹林での推定精度を検証した結果、回帰決定係数(R2)が0.4と0.53、RMSEが24.29 (t ha-1)と27.34 (t ha-1)であり、常緑樹林での推定精度が高いことが分かった。また、低バイオマス(100 t ha-1以下)、高バイオマス(200 t ha-1以上)での推定誤差が大きいことが分かった。日本全域の森林地上バイオマスの推定結果を都道府県別集計し、森林簿のデータと比較した結果、決定係数が0.95、傾きが1.68倍であり、森林総研の検証結果(1.86倍)よりやや低かった。
本研究により、衛星データと現地調査データを用いた機械学習のランダムフォレスト手法は広域の森林地上バイオマスの推定に有効な手法であることを確認できた。今後の課題として、ランダムフォレストを他のモデルと比較し推定精度を高度化する必要がある。また、森林伐採、台風など攪乱による森林バイオマスの変化を抽出し放出された炭素量を把握することも必要である。
グラウンドトゥルースデータを二つのデータセットに分け、一部(90%)を使用してランダムフォレスト学習モデルを構築した。構築した学習モデルから、残りの一部のデータ(10%)から地上バイオマスを予測し、その結果を現地観測データと回帰解析を行った。回帰解析の決定係数とRMSEにより精度評価を行った。その結果、回帰決定係数(R2)は0.6、RMSEが26.37 (t ha-1)である。落葉樹林と常緑樹林での推定精度を検証した結果、回帰決定係数(R2)が0.4と0.53、RMSEが24.29 (t ha-1)と27.34 (t ha-1)であり、常緑樹林での推定精度が高いことが分かった。また、低バイオマス(100 t ha-1以下)、高バイオマス(200 t ha-1以上)での推定誤差が大きいことが分かった。日本全域の森林地上バイオマスの推定結果を都道府県別集計し、森林簿のデータと比較した結果、決定係数が0.95、傾きが1.68倍であり、森林総研の検証結果(1.86倍)よりやや低かった。
本研究により、衛星データと現地調査データを用いた機械学習のランダムフォレスト手法は広域の森林地上バイオマスの推定に有効な手法であることを確認できた。今後の課題として、ランダムフォレストを他のモデルと比較し推定精度を高度化する必要がある。また、森林伐採、台風など攪乱による森林バイオマスの変化を抽出し放出された炭素量を把握することも必要である。