14:15 〜 14:30
[SCG64-04] 沖縄トラフ南部における地震波速度構造
キーワード:沖縄トラフ, リフティング, 地震学的構造
南西諸島島弧−海溝系において背弧海盆に相当する沖縄トラフでは,現在riftingが進行中であると考えられている.トラフの水深は北部から南部に向かって深くなり,ブーゲー重力異常は北部から南部にかけて地殻の厚さが薄くなることを示し,riftingは南部域でより進行していると推定されている.沖縄トラフ伸張軸に沿う地震波速度構造の変化を詳細に把握するために,海上保安庁では2008年より南西諸島域においてマルチチャネル反射法地震探査(MCS)及び海底地震計を用いた屈折法地震探査を行なっている.本報告では,沖縄トラフ南部に特徴的な海底地形であるいくつかの雁行する海底地溝(リフト軸に対応すると考えられる)の構造を重点的に調べるために実施した,地溝の軸に沿う方向の6測線およびトラフ軸に直交する測線について,地震波速度構造の概要を示す.
得られたP波速度構造モデルは,沖縄トラフ南部の地殻は北部域よりも薄くなっているが,大局的には島弧地殻と同様な上部・中部・下部地殻より構成され,地溝域についても同様であることを示した.海底地溝下は周囲よりも地殻が薄いが,最も薄い八重山海底地溝下でも最上部堆積層を除いて10 km程度の厚さで,標準的な海洋地殻よりは有意に厚く,MCS記録には多くの貫入が存在することが特徴的である.
(調査仕様)各調査は測量船「昭洋」により実施され,反射法探査における震源は総容量1,050 (350×3) inch3 (17.2 liter) のエアガンクラスターを使用し,50 m 間隔で発震した.データの収録には240 chストリーマケーブル(3,000 m)を用いた.屈折法探査では,総容量6,000 (1,500×4) inch3 (98 liter) のエアガンを200 m 間隔で発震し,約5km間隔で設置した海底地震計で受振した.
得られたP波速度構造モデルは,沖縄トラフ南部の地殻は北部域よりも薄くなっているが,大局的には島弧地殻と同様な上部・中部・下部地殻より構成され,地溝域についても同様であることを示した.海底地溝下は周囲よりも地殻が薄いが,最も薄い八重山海底地溝下でも最上部堆積層を除いて10 km程度の厚さで,標準的な海洋地殻よりは有意に厚く,MCS記録には多くの貫入が存在することが特徴的である.
(調査仕様)各調査は測量船「昭洋」により実施され,反射法探査における震源は総容量1,050 (350×3) inch3 (17.2 liter) のエアガンクラスターを使用し,50 m 間隔で発震した.データの収録には240 chストリーマケーブル(3,000 m)を用いた.屈折法探査では,総容量6,000 (1,500×4) inch3 (98 liter) のエアガンを200 m 間隔で発震し,約5km間隔で設置した海底地震計で受振した.