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[MTT44-P01] フェムト秒レーザーアブレーションICP質量分析法による第四紀広域テフラ中に含まれる火山ガラスの58主要-微量元素同時分析
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:火山ガラス, テフラ, LA-ICP-MS法, 元素存在度, 元素パターン, フェムト秒レーザー
第四紀広域テフラに含まれる火山ガラスの化学的分類はこれまで、電子ビーム分析法(EPMAやEDX)によるAl2O3やCaOなど主要成分含有量に基づいて行われてきた。火山ガラスに含まれる微量元素濃度の測定は、INAA法やICP-AES法、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)法といった微量成分分析手法によって行われてきたが、測定対象となる微量元素は専ら、希土類元素やSrやTh、Uなど幾つかの元素に限定されていた。本研究では、フェムト秒LA-ICP-MS法を用いて、火山ガラスに含まれる合計58元素(リチウムからウランまで、主要元素と微量元素の両方を含む)を同時に定量分析した。LA-ICP-MS法による主要成分の定量分析値と電子ビーム分析法による測定値の比較のために、”INTAV試料“(Kuehn et al., 2011に詳細な記載)にマウントされている4種の火山ガラス試料に関して測定を行った。その結果、LA-ICP-MS法による主要成分の定量値は10 %未満の逸脱に収まることが確認された。本研究の測定結果より、LA-ICP-MS法は微量元素のみならず、これまで電子線を用いて測定されてきた主要元素の定量分析に関しても、十分に適用可能であることが示された。現在まで姶良Tnテフラや阿蘇4テフラなど22種の日本列島及び周辺地域のテフラ試料と北米大陸の4試料を測定した結果から、各種元素の存在度とそれらのパターンによって、火山ガラスは明瞭に識別・分類が可能であることが確認できた。火山ガラスの主要・微量元素存在度とそれらのパターンは、テフラ試料のより正確な識別・分類に大いに役立つものと期待できる。