日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-GE 地質環境・土壌環境

[A-GE04] Subsurface Mass Transport and Environmental Assessment

2015年5月24日(日) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*森 也寸志(岡山大学大学院環境生命科学研究科)、斎藤 広隆(東京農工大学大学院農学研究院)、川本 健(埼玉大学大学院理工学研究科)、濱本 昌一郎(東京大学大学院農学生命科学研究科)、張 銘(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門)

18:15 〜 19:30

[AGE04-P09] HYDRUS-2Dを用いた人工マクロポアによる降雨浸透促進効果の評価

*﨑川 和起1森 也寸志1諸泉 利嗣1 (1.岡山大学大学院環境生命科学研究科)

土壌は植物や大気など地球全体において最大の炭素貯留体である。しかしながら,近年,気候変動や不十分な管理の影響によって,土は水の貯留層や栽培地としての機能することができない。今研究では,耕耘を行わず,雨水の浸透を促進することを目的として土壌中に人工マクロポアを導入した。劣化し,有機物の乏しい土壌では,激しい降雨によりその表層にクラストが発生する場合がある。この状況では土壌表層の土壌構造は降雨の浸透に大きく影響を与える。人工マクロポアとは土壌構造を人為的に再現することで,土壌表層における降雨の浸透を促進する働きを持つ。今実験ではHYDRUS-2Dを用いて人工マクロポア技術を再現することを目的としている。人工マクロポアは土壌表層に開いた孔隙から土壌表層の表面流を流入させる効果がある。しかし, HYDRU-2Dでは土壌表層の表面流を計算することはできない。そこで,表面流を計算するために,計算領域内に飽和含水率と透水係数が高く設定された仮想空間を設定した。そして,シミュレーションの予測値と実際の実験値を比較した。その結果,仮想大気を設定することで人工マクロポアへの降雨の流入を正確に表現することができた。以上のことから,仮想大気を用いてHYDRUS-2D上での人工マクロポアの浸透促進を再現が可能であるとわかった。