日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM27] 大気圏・電離圏

2015年5月25日(月) 17:15 〜 18:00 A01 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*大塚 雄一(名古屋大学太陽地球環境研究所)、津川 卓也(情報通信研究機構)、川村 誠治(独立行政法人 情報通信研究機構)、座長:川村 誠治(独立行政法人 情報通信研究機構)、津川 卓也(情報通信研究機構)

17:45 〜 18:00

[PEM27-03] 国際宇宙ステーションからの630nm大気光観測による赤道域プラズマバブルの研究

*山田 貴宣1大塚 雄一1坂野井 健2山崎 敦3久保田 実4陣 英克4齊藤 昭則5秋谷 祐亮5穂積 裕太5 (1.名古屋大学太陽地球環境研究所、2.東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター、3.宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所、4.独立行政法人情報通信研究機構、5.京都大学大学院理学研究科地球物理学教室)

キーワード:プラズマバブル, ISS-IMAP

赤道域電離圏において発生する特徴的な現象としてプラズマバブルが挙げられる。プラズマバブルはレーリー・テーラー不安定によって起こると考えられているが、プラズマバブル発生の日々変化を決定する要因は未解明である。プラズマバブルのさらなる研究のためには、グローバル分布の観測が必要不可欠である。しかし、従来の地上からの観測では擾乱現象のグローバル分布を観測するのは困難である。そのような背景から、2012年10月から宇宙ステーションによる超高層大気撮像観測ミッション(ISS-IMAP)により、630nm大気光の天底イメージング観測が行われている。本研究では、国際宇宙ステーションに搭載されている可視近赤外分光撮像装置(VISI)による630nm 大気光観測データを用いて、プラズマバブル発生頻度の季節・経度特性を調べた。2012 年9 月5 日から2013 年8 月28 日までの630nm 大気光データを解析した結果、プラズマバブルの発生頻度の季節-経度特性は、アフリカの経度域の春秋に比較的大きいことが明らかになった。この結果は、過去の研究結果とよく一致している。さらに、プラズマバブルの東西方向の間隔を調べたところ、プラズマバブルの間隔は、経度変化をもち、経度0 度-90 度では100-200km、225 度-360 度の経度域では200-300km の間隔が多いという結果が得られた。さらに、赤道異常による630nm 大気増光の極大値とその極大値が起こる緯度の日々変化を調べ、プラズマバブルの有無と比較した結果、プラズマバブルが発生しているときのほうが、極大値が起こる緯度の幅が大きいことがわかった。この結果は、東向き電場がプラズマバブル発生の有無に大きな影響を与えていることを示唆する。また、地球大気上下結合を記述するモデルのひとつとして、GAIA(Ground-to-topside model of Atmosphere and Ionosphere for Aeronomy)モデルが挙げられる。本研究では、GAIAモデルを用いて630nm大気光発光強度を求め、ISS-IMAPの630nm大気光観測データと比較し、日々変化と経度特性、及びそれらとプラズマバブル発生との関連について議論する。