日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT32] 地理情報システム

2015年5月26日(火) 11:00 〜 12:45 203 (2F)

コンビーナ:*小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、村山 祐司(筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻)、柴崎 亮介(東京大学空間情報科学研究センター)、吉川 眞(大阪工業大学工学部)、座長:吉川 眞(大阪工業大学工学部)、小荒井 衛(国土交通大学校測量部)

12:00 〜 12:15

[HTT32-05] 国土交通大学校におけるGIS教育

*小荒井 衛1 (1.国土交通大学校)

キーワード:GIS教育, 国土交通大学校, 地方自治体

国土交通大学校測量部では、国土地理院職員や社会基盤整備関連業務の担当者を対象に、最新の測量技術に関する研修を実施するほか、GISに関し総合的な知識を修得させる研修を実施している。
平成26年度は全体で19コースの研修を実施した。そのうち国土地理院職員のみを対象にした研修は7コースで、普通測量(約1年間)、高等測量(約3か月)など長期のコースが多い。一方、国土交通省、他省庁、地方公共団体、独立行政法人、団体の職員対象とした研修が12コースあり、通常は1週間以内の短いコースである。GISに関する研修が8コースあり、国や地方自治体職員等にGIS研修を行うことが主要なミッションの1つとなっている。
分野横断型のGIS全般にわたる研修として「GIS基礎」研修と「GIS中級」研修があり、施設管理、防災、まちづくりなど、国土交通行政に関連の深い分野ごとにもGIS研修が用意されている。また、SNS等に着目して地理空間情報を活用した市民参加型行政を目指す「地域情報コミュニケーション」研修もある。研修で使うGISのエンジンとしては、ArcGISを使った研修が2つあるが、GIS初心者でも参加できるようにすることや、職場でGISが導入されていない機関でも、研修終了後に職場に戻って直ぐにGISが活用できるよう、フリーGISソフトであるQGISや地理院地図を使った研修を多くしている。
GIS研修は現在定員割れの状況が続いている。しかし、参加した研修員へのアンケート調査では満足度が高く、研修内容よりは研修の存在が地方自治体に十分知られていないことが大きい。多くの地方自治体からGIS研修に参加してもらうことを目標に、各地方自治体のGISの普及状況の実態を知るべく、全国行脚によるヒアリング調査を実施している。本発表では、これらの調査結果の概要も報告する。